東大ママも「学童保育」問題に悩んでいる 問題解決へ、ママたちが立ち上がる!

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学童保育の“質”向上を目指す東大ママ

住友生命ブランドコミュニケーション部CSR推進室副長の須之内たか美さん

学童保育で奮闘するもうひとりの東大ママは、住友生命のブランドコミュニケーション部CSR推進室副長の須之内たか美さん。自身も6歳の女児の母。今年度、企業として初となる学童保育等支援の全国展開事業「スミセイアフタースクールプロジェクト」 を立ち上げ、運営に携わっています。

政府は昨年、学童保育の受け皿を2019年度末までに30万人に拡大することを決定。今後、改善への期待が持てます。しかし、須之内さんは「学童保育に入れても、『行きたくない』と訴える子どもも増えているよう」という問題意識を持っています。「特に低学年の子どもたちは、学童保育で過ごす時間が長い分、楽しく有意義な時間を過ごしてほしい」と、学童保育の“質”の向上を目指す取り組みを始めました。

プロジェクトのメインとなるのが、市民ボランティアの方たちによる出張授業。「いのち」「健康」「未来」がテーマで、これまでに心臓外科医による手術体験や、料理人による和食づくりなどの授業を提供してきました。

学童保育で、心臓外科医から手術について学ぶ子どもたち(写真:スミセイアフタースクールプロジェクト)

出張授業当日には、授業前に指導員や教育関係者、地元の人たちを巻き込んで勉強会を実施。学童保育をもっと楽しくするためにはどうすればいいのか、具体的にはどのような内容にするべきか、地域を巻き込みながら子どもたちの放課後のあり方について知恵を出し合うのが狙いです。

出張授業以外にも、学童保育の指導員へ小冊子を配布したり、専用HPですごろくやペーパークラフト類を配信したりする活動も手掛け、すべて無償で提供しています。

須之内さんは、「このプロジェクトが一過性のものとならず、その後も地域に根付いてほしい。地域ぐるみで学童保育の質の向上に取り組んでもらえればうれしいです」と思いを語ります。

自分と、自分の子どものことだけではなく!    

東大ママ門では、さまざまなテーマで勉強会を開いていますが、学童保育に関してはこれまでに3回開催。厚生労働省の職員で学童保育に詳しい方や、改善活動に取り組んでいる東京23区内の父母会の方などをゲストに招き、情報収集や意見交換をしてきました。

そして「何か形に残したい」という思いから、「首都圏の主な放課後事業の比較表」を試験的に作成しています。

ママ門でも共有しているのは、「自分の子どもを幸せにするためには、自分の子どもだけでなく社会全体の子どもたちを幸せにしなければならない」(須之内さん)という思い。もちろん、時には抜け道を探らないといけない局面もあるとは思うのですが、できれば公道を広げていきたいものです。今後も、ただ仲間うちで勉強会を行うだけではなく、世の中に発信したり働きかけたりできればと考えています。

東大ママ門 東大卒ママの同窓組織

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とうだいままもん / Todai mamamon

団体概要:2011年のホームカミングデーをきっかけに発足した東大卒業生の同窓組織。Facebookグループには0歳~小中学生の子を持つ母親を中心に、20~50代の東大卒業生560人が登録。「子育て中だが、会社内にはまだロールモデルが少ない」などの悩みを、同じ大学出身という共通基盤の下にFacebookのグループページ(非公開)で共有したり、オフ会、勉強会などで情報交換している。立ち上げの経緯はこちら(リンク)。

立ち上げ人:中野円佳。2007年、東京大学教育学部卒。『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)著者。同著では制度が整ってからも総合職女性が活躍しづらい社会構造を指摘。高学歴女性の抱えるジレンマについて触れている。

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