人間がどうしても「顔を優先」してしまうワケ

脳が持つ不思議な法則の秘密

脳は、無意識のうちに過去の経験をもとにして、目の前にあるものを判断していく。この「瓶の中の絵」に、大人たちは豊富な人生経験の中でも最も身近な「男女」を当てはめた。対して子供は、水族館や絵本などで見た経験のある「イルカ」が身近だったため、全く違う答えになったのだ。

脳が物事を判断する際、深く関係する過去の経験。つまり、同じものを見ていても、それは人によってまったく違うものに見えているかもしれないということだ。

このように、脳は認知をする時、無意識のうちに取捨選択をする。目や耳などから絶え間なく入ってくる情報や蓄積されている記憶のすべてを精査していては、処理が間に合わない。

人間は「顔を優先する」

そう言われると、だんだん顔に見えてきませんか?(写真:ベータ / Imasia)

そしてこの取捨選択には、世界中の誰もが持っている不思議な脳の法則がある。それは、「顔を優先する」ということだ。

日常生活の中で、ふとしたものが顔に見えてしまうことがないだろうか? メールなどで使う顔文字も、もとはバラバラの記号を組み合わせただけなのに、笑顔、泣き顔など、世代を超えて同じような認識を持つ。

この現象は、脳が「顔を認識する力」が生まれつき強いために起きるのだという。そもそも人は、人とコミュニケーションを取りながら生きている。それだけに人間の脳にとって、人の顔を見て認識するという作業はとても大切なことなのだ。

脳が顔の認識を優先する法則は、私たちの生活にも役立てられている。たとえば自動車。前から見るとヘッドライトを目に見立て、全体が顔のように見えないだろうか?実は、自動車メーカーによっては、意識して顔に見えるようにデザインしているのだとか。歩行者や対向車などが車の存在に気がつきやすくして、事故が減る効果が期待できるのだともいわれる。

そのほか、商品のパッケージや交通標識などにも、注目を集めることを期待して「顔」のデザインが多く取り入れられている。脳科学は、意外にも身近なところにも生かされているのだ。

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