深刻「世界の水不足」を技術で救う日本企業の凄さ 「水の惑星」地球だが、真水は0.01%に過ぎない
東洋紡は1970年代から海水淡水化の研究に着手。1978年に濾過膜の製品化に成功し販売先を中東に絞ったが、当時の中東では熱を活用した蒸留法が主流だったため相手にされなかった。そこで、同社は同社の濾過膜を組み込んだ淡水化装置を大型トレーラーに積み込んで現地に赴き、既存プラントと比較することで同社製品の優秀さをPRした。デモンストレーション効果は抜群で80年代の半ばからは同社の濾過膜が普及するようになっていった。
ポンプメーカーも活躍
濾過膜に海水を通す過程ではポンプで高い圧力をかけ、海水を濾過膜の反対側に押し出す必要がある。また、海水を取水する際にもポンプを使用する。海水淡水化においてポンプは極めて重要な役割を担う。
酉島製作所(6363)はポンプ専業メーカーで、ポンプ国内大手3社のうちの1社。海水淡水化分野において40年の実績があり、世界中で数多くのポンプを販売してきた。
2022年にサッカーワールド杯が開催されるカタールでは経済発展に伴って人口が急増、首都のドーハに約80%が集中している。酉島製作所はドーハ市内のすべてのかんがい設備にポンプ工事を請け負った実績を持つ。
工業用ポンプ国内最大手は荏原製作所(6361)。これまで淡水化プラント用大型ポンプを世界中に供給してきており、その技術力は高く評価されている。
同社の高圧ポンプの中でもとくに強力なポンプは富士山を上回る高さ4000メートルまで水を噴き上げることが可能だ。また、同社最大のポンプの吐き出し口は直径4.6メートルもあり、このポンプを使えばわずか7秒で25メートルプールをいっぱいにすることができる。
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