「英語は文法間違ってもとにかく話す」がダメな訳 使える英文法の修得は暗記と理解の区別がカギ

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英文法が悪者扱いされる風潮は問題が多い(写真:USSIE/PIXTA)

近年、進められている英語教育の改革によって、学校の授業で教える内容も筆者の時代とは大きく様変わりした。子どもたちから聞いて驚いた親御さんもいるだろうが、今、多くの学校では、英文法を教える時間が大幅に削られている。「机上の勉強よりコミュニケーション能力の育成を重視する」との考え方によるものだが、本当にこの方法で子どもたちの英語力は上がるのだろうか? そして、受験の対策としてはどうすればいいのだろうか? 『大学入試 英文法Eureka(エウレカ)!』の著者である人気英語講師の宮下卓也氏に聞いた。

英文法なんていらないってホント?

昨今、英語教育をとりまく環境は大きく変化しています。スピーキング力を重視する方針のもと、「文法が間違っていてもいいからとにかく話そう」「文法なんかを気にするから話せないんだ」「ネイティブスピーカーは文法なんて気にしていない」など、文法をまるで悪者のように扱っているのです。

高校の先生方からも、「英文法を教えなければならないとは思いながらも、スピーキングのためのペアワークなどに時間を取られ、なかなか英文法を体系的に教える時間が取れない」という声をよく耳にします。

その結果、私が日々受験指導をしている予備校の現場でも、「文法がわかりません」「いつも間違う箇所は文法がらみなのに、どう勉強したらいいかわかりません」「うちの子の学校では英文法をやらないみたいなんですけど、どうしたらいいですか」といった相談を受ける機会が増えました。

しかし、英語学習において、はたして英文法はそこまで排除されるべきものなのでしょうか。確かに、私自身も予備校でスピーキング講座を担当する際、「文法ミスを気にしすぎないようにしよう」ということを伝えることがあります。

しかし、これはあくまで、「話している間に英文法を気にしないでおこう」ということを伝えているだけで、英文法を軽視しているわけではありません。もちろん、英文法がわからなくても、単語だけでうまく意味を伝えられる場面もあります。

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