2022年の株主総会見どころ「株主提案77社リスト」 3月本決算企業に対し、提案数は過去最多に
以下、開催日ごとに注目の定時株主総会を見ていこう。
【6月21日】
日本製鉄系のSI会社・日鉄ソリューションズとトピー工業系電炉メーカーの北越メタル。この2社が6月21日の二大注目総会だ。
アクティビストのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)は、日鉄ソリューションズに対して、定款変更や自己株取得を提案している。
定款変更の中身は特別調査委員会の設置、特定投資株式(政策保有株いわゆる持ち合い株)の売却、親会社に対する預け金の禁止だ。これらのうち特別調査委員会の設置についてAVIは、「セクシャルハラスメントやパワーハラスメント等(中略)の調査を実施するため」としている。
北越メタルに株主提案をしたのは、筆頭株主のトピー工業だ。トピー工業の大洞勝義専務や竹内征規理事、日本製鉄の元調査・研究開発部長で現在は慶応大学招聘教授の天川一彦氏の計3人の取締役就任を提案している。
トピー工業は33.1%の北越メタル株を保有。第2位株主の伊藤忠メタルズ(保有比率8.7%)や第3位の第四北越銀行(同7.7%)、第4位の伊藤忠丸紅鉄鋼(同4.3%)が賛同すれば過半を超える。ただし、議決権行使助言会社のISSは株主提案に反対している。
ユタカフーズと東洋水産はセット
【6月22日】
22日は東海地区の中堅食品メーカー、ユタカフーズが注目だ。ヴァサンタ・マスターファンドが株主提案をしているからだ。ヴァサンタは「合理的使途を示さず漫然と内部留保を続けている」として1株121円への増配など4議案を提案。一方、会社提案は年40円配当で据え置きだ。6月15日にはチルド新工場(仮称)の建設を取締役会で決議し、内部留保の使途を明確化。投資額は約99億円だとしている。
ユタカフーズへの株主提案は、翌23日開催予定の東洋水産への株主提案とセットといえそうだ。東洋水産はユタカフーズ株の過半を有する親会社である。
ヴァサンタは東洋水産に「グループ全体のガバナンスの実効性確保」を定款に加えることを株主提案。「ユタカフーズの売り上げ及び原料仕入れの80%以上は対当社(=東洋水産。以下同)であり、ユタカフーズの会長及び社長が当社出身であるため、優越的地位による利益相反取引のリスクが高い」ことから「ユタカフーズは、上場維持に合理性がない」としている。
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