2022年の株主総会見どころ「株主提案77社リスト」 3月本決算企業に対し、提案数は過去最多に

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【6月28日】※3番目に総会開催が多い日

28日は“電力デー”だ。東京電力ホールディングス以下、原子力発電所を持たない沖縄電力を除き、電力各社や電力卸のJ-POWER(電源開発)に株主提案がなされている。

電子材料メーカーの有沢製作所に1株102円への増配などを求めていたストラテジックキャピタルは「経営方針を転換させつつあると判断し」、株主提案を取り下げた。有沢製作所は前期39円だった配当を90円に引き上げる会社提案をしている。

はるやまでは創業家が株主提案

【6月29日】※最も総会開催が多い日

そして最大集中日の29日を迎える。29日は郊外型紳士服専門チェーン大手のはるやまホールディングスと静岡東部・神奈川西部地盤の地銀・スルガ銀行の総会が注目だ。

はるやまHDでは、「現在創業以来、最大の危機です。治山正史氏に経営させていては立ち直れませんし、同氏が社内にいては同氏の影響を受け改革が進みません」として創業家が完全子会社・はるやま商事の元役職員と広島国税局の元職員を取締役や監査役にすることを提案している。

スルガ銀行への株主提案は、嵯峨行介社長の解任など10議案。提案したのは、かぼちゃの馬車事件やアパートマンション不正融資事件の被害者を中心とした300人だ。

29日にはふくおかフィナンシャルグループ(FFG)も定時株主総会の開催を予定している。高田工業所に株主提案をしている2株主のうち1人が、6月6日付でFFGの五島久社長に質問状を送付。定時総会の会場での回答を求めている。

「高田工業所が(債務超過に陥った際に発行した高田工業所の)優先株の処理(取得・消却)を進めたい意向があるにもかかわらず、(FFGの完全子会社である)福岡銀行は昨年に関しては要請に応じなかったようだが、どのような理由で要請を拒んだのか」「福岡銀行はヤマウHDの優先株を保有していたが一部を福岡商事に譲渡している。福岡商事はFFGや福岡銀行にとってどのような関係の会社なのか」など6つの質問をFFGにぶつけている。FFGは29日の総会で、株主が納得する回答をするだろうか。

以上、2022年の注目の総会は上記のとおりだ。6月下旬は、株主総会から目の離せない日が続きそうだ。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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