スクープ!日経「テレ東天下り」に物言う株主がNO 株主提案には「日経が最も恐れる男」の名前も
日経グループを想定外の激震が襲っている。
4月14日、民放キー局のテレビ東京ホールディングス(HD、東証プライム市場上場)が、アクティビスト(物言う株主)から6月の定時株主総会に向けた株主提案を受けていたことが東洋経済の取材でわかった。仕掛けたのは、香港の投資会社であるリム・アドバイザーズだ。
リムが行った提案の中で最大のポイントは、筆頭株主である日本経済新聞社(日経)から経営陣がテレ東HDに「天下り」する慣行を廃止すること。その実行を担保するための社外取締役候補として「日経が最も恐れる男」の起用を提案している。リムは日経とテレ東という経済報道の巨人に挑戦状をたたきつけた格好だ。
歴代のテレ東社長は日経の出身者
まず、「天下り」の実態を見ておこう。日経はテレ東HDに32.0%を出資する筆頭株主。現在の同社経営陣のトップ3はいずれも日経本体の取締役経験者だ。1973年就任の佐藤良邦氏以来、テレ東HD(2010年から持株会社体制へ移行)社長は50年近く日経出身者が占め続けてきた。
また、テレ東HDで特別顧問の職にある高橋雄一氏は日経からテレ東社長に転じ、2020年にテレ東HD会長を退任した人物だ。今回、リムは報酬つきの顧問制度を撤廃することも求めている。
日本の放送法では民放キー局などを傘下に抱える持ち株会社に、特定株主が3分の1以上出資できないと定めている。日経はほぼその上限の株式を保有している。「日経幹部にとってテレ東は最も格の高い天下り先」(日経元記者)という。
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