ライザップが東芝元社長を経営に迎え入れる理由 辞任劇から1年余りの車谷氏を社外取締役に

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2021年7月からライザップの経営顧問を務める車谷氏(左写真:編集部撮影、右写真:梅谷秀司撮影)

数多くの不振企業を買収した結果、大きくつまずいたRIZAPグループ(ライザップ)。経営のスリム化により再起の兆しが見えてきた今、同社が社外取締役の候補として挙げたのは意外な人物の名前だった。

ライザップは2月10日、三井住友銀行の元副頭取で東芝の元社長兼CEOである車谷暢昭氏を社外取締役とする人事を発表した。6月の定時株主総会で承認を経た後、就任という運びだ。

車谷氏の銀行時代から交流か

2018年からの3年間、車谷氏は東芝で会長兼CEOと社長兼CEOを務めた。東芝の事業再建を進め、東証2部に降格していた同社の1部復帰に貢献したが、経営戦略をめぐりアクティビスト(モノ言う株主)との対立が深刻化。2021年4月に任期半ばで社長兼CEOを辞任した。

突然の辞任劇から3カ月後の同年7月、車谷氏はライザップの経営顧問に就いた。現在は同社の取締役メンバーと週に1回顔を合わせているという。

「三井住友銀行に(車谷氏が)おられたときから付き合いがあった」。東洋経済の取材に、ライザップの瀬戸健社長はそう語った。この言葉から車谷氏が副頭取を最後に三井住友銀行を去る2017年までに2人は交流を持っていたようだ。

その後、車谷氏はイギリスの投資ファンドであるCVCキャピタル・パートナーズの日本法人会長に。そして不正会計発覚からの混乱に終止符を打ちたい東芝によって、外部出身の経営トップとして迎え入れられた。

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