2022年の株主総会見どころ「株主提案77社リスト」 3月本決算企業に対し、提案数は過去最多に

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【6月23日】※4番目に総会開催が多い日

6月23日に開催される総会で最大の注目はエレベータ大手のフジテックだ。株主提案は受けていないが、アクティビストのオアシス・マネジメントが内山高一社長の再任に反対するキャンペーンを実施。議決権行使助言会社のISSやグラスルイスも、内山社長再任の会社提案に反対を推奨している。

「エニタイム・フィットネス」運営会社のFast Fitness Japan(以下FFJ)では前代未聞の事態が起きている。FFJ筆頭株主のオーク社、同社代表でFFJ会長かつFFJの第2位株主の大熊章氏、FFJ取締役監査等委員・高嶋淳氏が3者連名で、取締役8人の選任を株主提案。これに対してFFJの取締役会が反対している。

会社提案と株主提案とでは選任候補8人中、大熊章会長、土屋敦之社長、松村はるみ社外取締役の3人が重複する一方、5人が異なる。焦点は株主提案者の1人でもある高嶋氏の去就のようだ。

株主提案は高嶋氏を監査等委員から外すが取締役として残す。会社提案は監査等委員からも取締役からも外す内容だ。「高嶋淳氏は、大熊章氏を監督するどころか、大熊章氏の利益を代弁又は擁護する言動が見受けられます」として、FFJの任意の指名委員会は高嶋氏の取締役再任に反対している。

経営陣の刷新を提案

独立系ベンチャーキャピタルのフューチャー・ベンチャーキャピタル(FVC)も6月23日に総会を開催する。FVCに株主提案をしているのは第2位株主のマンティス・アクティビスト投資1号やそのオーナーである金武偉(きむ・むい)氏だ。「現経営陣の戦略ミスにより、FVCの事業モデルと株価が行き詰まり状態にある」「(業績が)長期低迷しても同じ経営者が任期続投を繰り返し」ていることを理由に、経営陣の刷新を提案している。

23日に荒れそうなのは自動車向け電源機器メーカー・中央製作所の株主総会だ。第6位株主の三浦重剛氏が社外取締役の加藤茂氏の解任を議題とし臨時株主総会の招集を請求したが、5月9日に請求書面を受領した会社側は「定時株主総会が近い」ことを理由に請求に応じていない。

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