グーグルは結局検索以外で稼げないのか 自動運転や宇宙ネットまで自由に翼を広げるが…

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さらに重要なのは、モバイル端末の検索サービスに伴う収入が、デスクトップより安いことだ。CPC(コスト・パー・クリック/クリック1回当たりの広告料金)は前年比3%減と、数年連続で下がっている。CPCもドル高の影響を受けている。

折しも、グーグルの株価は年明けから値を下げていた。決算発表前の1月29日朝の時点で、2014年4月から約10%下落。同期間にS&P500指数は上昇しており、フェイスブックなどIT業界の有力株は25%値上がりしている。決算発表の数時間後も、グーグルの株価は1%弱の上昇にとどまった。

 配当開始や自社株買いも?

市場はグーグルについて、自分たちの意図を明確にすることにあまり気を配らないと思っている。「残念ながら、短期的にはネガティブな心情が優勢な時期に、そのような不透明さを投資家は歓迎しない」と、ドイツ銀行のアナリスト、ロス・サンドラーは決算発表前のリポートで指摘している。

グーグルのパトリック・ピシェットCFO(最高財務責任者)は決算発表にあたり、電話インタビューで「規律」という言葉を繰り返した。ピシェットは明暗が分かれた戦略にも言及した。高速インターネットサービスのグーグル・ファイバーがジョージア州アトランタやノースカロライナ州シャーロットにエリアを拡大するなど、力を入れる新しいプロジェクトもある。しかし一方で、「ネットにつながる眼鏡」グーグルグラスは、話題を巻き起こしながら販売中止となった。

アナリストのなかには、グーグルの株価の低迷が続けば、自社株を買い戻したり、配当金を出したりするのではないかという見方──期待──もある。「アップルが配当開始を発表したときと似たような水準だ」と、RBCキャピタルのマハニーは最近のリポートで指摘している。

これに関連する質問は、ピシェットの電話インタビューでも2回出てきた。彼はこの件については何も言わなかったが、自社の株価は「重要だ」と明言した。

                         (執筆:CONOR DOUGHERTY、翻訳:矢羽野薫)
                                   (C) 2015 New York Times News Service
 

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