「親の愛着が足りない子」が示す3つの問題行動 親の愛情が一貫していない子に見られる兆候は
ほかの子たちより生きていくのに苦労する子もいる。そういう子たちは、つねに急な坂で自転車をこいでいるようなものだろう。あなたは重力を取り除いたり、坂を平らにしたりはできないかもしれない。しかしつねに寄り添って確かな愛着を育めば、少なくとも坂の勾配を変えて、それほど骨を折らずにペダルを踏めるようにはしてやれる。
母親との関係が如実に現れる実験
1960年代、科学者たちは、1歳の誕生日を迎えた子どもとその保護者を対象とする、興味深い実験を行った。
まず、子どもが生まれて最初の1年間、訓練を積んだ観察者が家庭訪問して、一定の評価尺度で母親と乳児の関係を評価した。次に、その年の終わりに、それぞれの親子が約20分間の実験のため、ある部屋に入れられた。〝ストレンジ・シチュエーション法〟と呼ばれる実験だ。
赤ちゃんが母親と引き離されて、〝慣れない状況(ストレンジ・シチュエーション)〟、つまり知らない人たちと一緒か、1人きりでなじみのない部屋に残されたとき、何が起こるかに注目する。
部屋を出ていく母親を目にするストレスに1歳の子がどう対処するか、特に母親が戻ってきたときにどう反応するかを観察すれば、赤ちゃんの愛着のシステム――赤ちゃんがどのように親とつながり、その関係を〝確かな土台〟として使っているか――についてさまざまなことが学べる。
こういう実験が何千回も繰り返された結果、関係性を解くカギは、「母と子の再会の段階にあること」がわかってきた。つまり、戻ってきた母親を子どもがどう迎えるか、どのくらいで落ち着くか、どのくらいすばやくおもちゃ遊びに戻るか(のちに同じ実験が父親でも行われ、全般的に同様の結果が得られたので、母親だけでなく保護者と子どもの関係の評価と言っていいだろう)。
確かな愛着を育まれた赤ちゃんは、母親が部屋を出ていくと、はっきりと寂しそうな様子を見せ、戻ってくるとうれしそうに迎えてから、すぐに落ち着いて、おもちゃ遊びやその他の活動に戻る。