「親の愛着が足りない子」が示す3つの問題行動 親の愛情が一貫していない子に見られる兆候は
確かな愛着によって良好な結果が生まれるのには、いくつか大きな理由がある。
まず、あなたが寄り添っていると、子どもは生活全般で自分が安全だという安心感をいだく。世界を「自分の居場所」と感じながら生きているので、たとえ思いどおりにいかないことがあっても自分は大丈夫だと思える。
子どもが障害や挫折にぶつかったとき、確かな愛着が緩衝材のような働きをすると考えるとわかりやすい。確かな愛着があっても、ネガティブな状況や感情から子どもを遠ざけることはできない。それが人生というものだ。子どもは苦痛だけでなく、失望や、いら立ち、不満なども感じるだろう。
挫折や失敗を経験させないようにするより大事なこと
親としてのあなたの仕事は、挫折や失敗を経験させないようにすることではなく、人生の嵐を乗り切るのに必要なツールと情緒面での立ち直る力を与え、その嵐のなかをいっしょに歩いてやることだ。
そのとき、確かな愛着は、スケートボードをするときのヘルメットと同じ、気持ちの防具のように働く。ヘルメットをかぶっていても事故は防げないが、転んだときのダメージは大きく変わってくるだろう。
あたり前だが、確かな愛着を養った子どもでも、成長に伴うたくさんの苦痛やショックを回避できるわけではない。友だちの誕生日パーティーに呼ばれなければ、やはり仲間外れにされたような気分になるだろう。初めての恋に傷つくこともあるだろう。
しかし、そういう難題にぶつかっても、うまく立ち直るためのヘルメットがあるから、しっかりした自我を失うことなく、つらい胸の痛みを乗り越えられる。
確かな愛着があれば、特に、大きなショックを伴う人生経験や、環境からのストレス、発達上あるいは医療上、遺伝上の障害、学習困難など、特別な問題に向き合っている子どもも生きやすくなる。