2社の資産規模を比較しますと、ホンダの方がはるかに大きく、収益力もケタ違いですので、もし、本当にホンダが支援に乗り出せば、タカタはこの問題を乗り越えられるのではないでしょうか。
タカタの存続のカギは、米国での信頼回復
もうひとつ、注意しなければならない点は、米国で信頼が失われた時のダメージです。
タカタの決算書に戻りましょう。地域別の業績をまとめたセグメント情報(決算短信9ページ)によりますと、「外部顧客への売上高」のうち、米国が全体に占める割合は41.8%もあります。米国で信用を失うということは、タカタにとって致命的な問題なのです。
また、ホンダのセグメント情報(決算短信18ページ)を見ますと、北米が売上高全体に占める割合は48.0%となっています。こちらも北米事業は主力中の主力ですから、この問題が尾を引きますと、ホンダの業績にも悪影響が及ぶ可能性があります。
ですから、エアバッグ問題をいかに迅速に、うまく収束させるかということが、両社にとってはとても重要なのです。特に、タカタにとっては死活問題になります。
これは、タカタとホンダだけの問題ではありません。日本の自動車業界全体の信頼にも深く関わっています。そこでトヨタ自動車も、現時点でタカタ救済については否定していますが、経営支援に乗り出すのではないかとの見方もあります。
先に述べたように、タカタは全世界のエアバッグ市場において約20%のシェアがありますから、もし、事業に支障があるようなことがあれば、自動車メーカーはエアバッグの調達が難しくなってしまいます。
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