広がるリコール、タカタの甘い認識 欠陥エアバッグは政治問題化
独立系自動車部品メーカー、タカタ製エアバッグの欠陥問題が広がっている。米国トヨタ自動車は現地時間の10月20日、タカタ製エアバッグの欠陥で24.7万台のリコールを届け出た。
同日には、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が、各自動車メーカーが実施中のタカタ製エアバッグのリコールに関して、474万台の全米の所有者に早急にリコールに応じるよう求める声明を発表した。翌日、NHTSAはこの数字を780万台に引き上げ、さらに台数が拡大する可能性を示した。
追い打ちをかけるように23日には、日産自動車が同社製エアバッグの不具合を理由に、国内で10.4万台、グローバルで26万台のリコールを発表した。
関連リコールは計1600万台に
2013年4月以降、タカタ製エアバッグに起因するリコールは、トヨタ、ホンダ、日産、独BMW、米GM、クライスラー、フォードなど10社に広がっている。自主回収まで含めれば、グローバルでは計1600万台に達する。
ただ、タカタは13年3月期にリコール費用300億円を特別損失で計上。15年3月期第1四半期にも447億円を引当金に繰り入れた。この巨額特損で15年3月期は240億円の最終赤字に転落する見込みだが、想定される範囲の修理費用の引き当て処理を済ませたことで、リコール問題は一段落したと思われていた。
にもかかわらず、次々とリコールが発表されたため、株式市場でタカタ株は連日大幅に売り込まれた。20日の2186円から24日には1538円へと下落。4日間で500億円以上の時価総額が失われた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら