フリーランスから「会社勤め」を彼女が選んだ理由 池澤あやか「自分の可能性、もっと広げたい」
――これまでの8年間、フリーランスを続けてきてよかったと感じることは?
1つは、スキル一本で稼ぐ経験ができたことですね。エンジニアとして、自分の腕に自信が持てたと思います。
次に、キャリアデザインが自由なこと。やりたい仕事は自分次第でできるし、磨きたい技術があればいつでもチャレンジできます。
私の友人に、「2カ月間働いたら次の2カ月間はインプット期間」と決めて仕事と学びのサイクルをつくっている人がいるのですが、そういうことができるのもフリーランスならでは。
いくら副業推進のムードが広がっているとはいえ、会社員である限りは「2カ月仕事を休んで勉強してきますね」とはいかないはずなので。
「面白そう!」と思ったことはすぐに試せる。そういう身軽さは、フリーランスのよさだと思っています。
――池澤さんから見て、フリーランスのエンジニアに必要なものとは何だと思いますか?
いちばん大事なのは「自分で責任を持って決断すること」だと思います。それは仕事内容についてだけではなく、キャリア構築についてもそうです。
例えば、私はエンジニアになりたての頃、Webサイト制作を生業にしていました。
Webサイト制作は個人で行うことが多いので、開発の全体像をつかむことができ、未経験から実力を伸ばすにはピッタリの仕事だったんです。
ただ、個人で仕事をしていると自分の実力以上の仕事を受注できないので、あるときから実力の伸び悩みを感じるようになり、長期的なお付き合いができそうなクライアントを見つけ、チームでの開発にジョインしました。
こんな感じで、自分が今どういうフェーズにいて、どういう方向にスキルを伸ばしたいのかを主体的に考え、それがかなう環境を自分で見つけたりつくったりしていくのは、フリーランスにとって大切なスキルだと思います。
「いい人柄」は立派なビジネススキル
――これから会社員生活が始まりますが、今後はどんなキャリアパスをイメージしていますか?
まだ確実なことは言えないのですが、まずは、プロジェクトマネジメントや、チームマネジメントの現場をのぞいてみたいですね。そして、自分が心地よく働ける限りは、今は会社員を続けていこうかなと思っています。
ただ、これからまたライフステージが変わって、フリーランスで働きたいと思うときがまたくるかもしれません。そのときはそのときで、自分らしい働き方を選択できるといいなと思います。