なぜウクライナだけ?放置される「難民申請者」 「扱いの違い」に愕然とする支援者の声

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北関東医療相談会の調査によると、仮放免者の8割が経済的理由により医療機関を受診できないことがあると答えた(写真:共同通信)

「自分の国に帰れないという点では、ウクライナ避難民と何ら変わらない。そんな人たちが目の前にいるのに、見過ごされている」

こう話すのは、NPO法人北関東医療相談会(通称AMIGOS)の長澤正隆事務局長だ。団体では長年、生活に困窮する人の健康診断の費用や治療費、食料や家賃などを支援してきた。

医療費に関する支援は、2021年度で100世帯に上る。支援対象者は日本人、外国人を問わないが、実際に支援する人の多くは外国人だ。長澤氏によれば、その約8割が自国に帰れず、日本での滞在を希望している難民申請者だという。

ウクライナ避難民優遇への複雑な思い

ロシアの軍事侵攻を受け、日本がウクライナから受け入れた避難者の数は、6月6日時点で1239人に上った。ウクライナ避難民に対する政府の対応は迅速だった。日本での生活に必要な宿泊費や食費などの支援金などとして、5億2000万円の予備費をつけることを3月に閣議決定した。

出入国在留管理庁によれば、この予備費には医療費も含まれる。一時滞在施設にいる間については、風邪をひいたときなど、一般的な医療費用は基本的に全額、支援金で負担するという。

避難民にとっては不本意ながらも、戦争が長引けば日本での滞在は長期化する可能性がある。日本で生活基盤を築くうえでは、語学習得や就労が必要となってくる。一定の時間がかかることを考えると、それまでの生活費となる政府による支援金は必須といえる。

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