なぜウクライナだけ?放置される「難民申請者」 「扱いの違い」に愕然とする支援者の声
「自分の国に帰れないという点では、ウクライナ避難民と何ら変わらない。そんな人たちが目の前にいるのに、見過ごされている」
こう話すのは、NPO法人北関東医療相談会(通称AMIGOS)の長澤正隆事務局長だ。団体では長年、生活に困窮する人の健康診断の費用や治療費、食料や家賃などを支援してきた。
医療費に関する支援は、2021年度で100世帯に上る。支援対象者は日本人、外国人を問わないが、実際に支援する人の多くは外国人だ。長澤氏によれば、その約8割が自国に帰れず、日本での滞在を希望している難民申請者だという。
ウクライナ避難民優遇への複雑な思い
ロシアの軍事侵攻を受け、日本がウクライナから受け入れた避難者の数は、6月6日時点で1239人に上った。ウクライナ避難民に対する政府の対応は迅速だった。日本での生活に必要な宿泊費や食費などの支援金などとして、5億2000万円の予備費をつけることを3月に閣議決定した。
出入国在留管理庁によれば、この予備費には医療費も含まれる。一時滞在施設にいる間については、風邪をひいたときなど、一般的な医療費用は基本的に全額、支援金で負担するという。
避難民にとっては不本意ながらも、戦争が長引けば日本での滞在は長期化する可能性がある。日本で生活基盤を築くうえでは、語学習得や就労が必要となってくる。一定の時間がかかることを考えると、それまでの生活費となる政府による支援金は必須といえる。
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