燃油サーチャージも「狂乱的な値上げ」回避する技 「マイレージ」で予約をとる際は注意が必要

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これらのリストのなかには、もともとの必要マイル数が少ないエアラインとそうでないエアラインが混在している。前述したアラスカ航空のJAL国際線ビジネスクラスアジア内のように、必要マイル数が少ないうえに、燃油サーチャージも課さない特典航空券が最強の組み合わせといえる。

海外発券でサーチャージを回避

燃油サーチャージを課すか課さないかは、利用する航空会社だけではなく、その航空券がどの国を出発地としているのかにもよる。これは、一部の国では、消費者保護などの観点により、燃油サーチャージを課すことを禁止ないし一定額以内に制限しているからだ。

こうした規制を課している国のうち、アジア・オセアニアにあり、日本からの渡航者数が比較的多い国としては以下があげられる。

ベトナム
フィリピン
タイ
シンガポール
オーストラリア
ニュージーランド

そのため、これらの国を出発地とする航空券を購入することで、サーチャージの負担を回避ないし抑えられるケースがある。

例えば、JALの航空券で東京からシドニーまで往復した場合、燃油サーチャージ込みの諸経費は9万0020円となった。しかし、東京からシドニーまでの片道航空券の諸経費は4万4170円なのに対して、シドニーから東京までの片道でかかる諸経費は約9200円(97.2オーストラリアドル)にとどまる。

もちろん実際には片道航空券を購入すると往復航空券よりも割高になることが多いので単純にトータルの費用が安くなるわけではない。また、燃油サーチャージが免除される国から出発する航空券本体が高ければ元も子もない。結局のところ、サーチャージが課されるか、課されないかにかかわらず、その国からの航空券が総額で安いかどうかが最終的に問われることになる。

だが、海外発の特典航空券を発券する場合は、サーチャージの有無が直接的に影響をおよぼす。海外発券を検討するならば、サーチャージの金額にも注目して、出発地を検討してみたい。

2022年6月に最高値を記録した燃油サーチャージはしばらく高止まりしそうだ。原油価格をコントロールすることはできないが、燃油サーチャージを課さない航空会社や発券地を選ぶことで、その影響を最小限にとどめることができるのではないだろうか。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は130カ国。共著に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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