日本は世界的な食料危機と物価高にどう向かうか 国内電力の安定供給に原発再稼働は現実的なのか

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以下、番組での主なやりとり。

木下康太郎キャスター(フジテレビアナウンサー):ロシアによる黒海の港の封鎖でウクライナは輸出量世界5位の小麦、同3位のトウモロコシなど2,000万トン以上の穀物を輸出できない状況になっている。欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は「ロシアはエネルギー供給と同様、食料供給を武器として利用している」と批判。プーチン大統領は「ウクライナの穀物輸出などで協力する用意はあるが、当然、制裁の解除が必要だと話した」と述べたとされる。

食料問題を武器にしているロシア

廣瀬陽子氏(慶應義塾大学教授):今ロシアは諸外国からの経済制裁に非常に苦しんでいる側面があるため、制裁を解除させるため、食料問題を武器にしている。小麦の問題は非常に深刻だが、世界の農業に必要なロシアとベラルーシ肥料も輸出されない状態だ。今夏は干ばつも危惧され、来年の穀物事情は非常に深刻になる。早急な対応をしなければ、来年各地で飢餓が起こることが想定されている。プーチン大統領はますますこの食料問題を武器にしてくる可能性が高い。

(画像:FNNプライムオンライン)

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):ロシアとの戦闘はウクライナ国民に委ね、血を流さずに国際秩序が維持されることで利益を受けるのは日本を含む西側諸国だ。さらに経済制裁でロシアを追い詰める戦略で行くのであれば、この制裁で経済的に苦しむアフリカ諸国を放っておくのは無責任だ。われわれ西側諸国は、自ら価格高騰のリスクを負うと同時に、アフリカなど食料問題で危機的な状況になっている国について、ウクライナへの武器供与やそのほかの支援と同じぐらいの支援をするべきだ。

玉木雄一郎氏(国民民主党代表):日本はウクライナから小麦をほとんど輸入していないので、日本への直接的な影響はあまりないが、途上国には非常に影響がある。苦しむ発展途上国を国際社会でどう支えるのか。中国が出て行く可能性がある。そもそも中国に非常に依存して「債務の罠」にある中で、穀物価格が高騰すると、また中国が支援の手を伸ばすという国際的秩序の変化も起きてくる。去年8月にIMF(国際通貨基金)が約6,500億ドルの融資枠を日本を含む各国に割り振っている。日本を含む先進国はこれを積極的に活用して経済的支援をしていくべきだが、イニシアチブを発揮できていない。日本は旗振り役として、G7(主要7カ国)、IMF、世銀、あるいは国連と組んで今こそしっかりとした支援を世界に先駆けて発信すべきだ。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):戦況は一進一退が続いている。これをどういう形で停戦に持って行くべきか、あるいは徹底抗戦すべきなのか。

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