『ジョーカー・ゲーム』、"大作抜擢"の心構え インディーズ出身の入江監督、メジャーへ挑む

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(C)2015「ジョーカー・ゲーム」製作委員会

――主演の亀梨さんはどうでした?

やはり亀梨君が偉いなと思ったのは、みんなが休憩している時でも、ひとりで黙々とアクションなどの練習をしているわけです。そういうことは海外の人も見ていますからね。言葉はなくとも「この主演のやつはこれだけこの映画にかけているんだ」というのが伝わり、それでみんなが集中しだすということはありますね。

インドネシアの方も、亀梨和也が日本のアイドルでスターだということをまったく知らないわけです。トム・クルーズやマット・デイモンなら知っているけど、日本の誰がスパイをやるんだという。それでも彼は、撮影の過程の中でひたすら目標に向かって淡々とやっていく姿を見せた。そして現地のスタッフにも「おはよう」「疲れは大丈夫? 」と英語で声をかけていった。組織での人間関係はこういう積み重ねでうまくいくのだなと思いました。

最後の撮影が終わってからの打ち上げのときもすごかったですからね。「次はお前ら、いつ戻ってくるんだ」とか「帰らないでくれ」といった感じになっていました。

背負っているものが違うジャニーズ事務所の俳優

――今回、ジャニーズ事務所の俳優と初めて組んだわけですが、入江さんが感じたジャニーズのすごさとは?

とにかく背負っているものの蓄積が違いますね。向こうで「誰だおまえは」という目で見られても、みんなを納得させるすごさがある。彼らは相当な競争社会の中で生きてきたわけじゃないですか。ここまで勝ち残り、築いてきたんだというプライドもあるでしょう。撮影が終わって日本で公開するとなると、下手なものは見せられないということもありますよね。

亀梨君は本当に努力家ですね。映画でのシーンで拳銃の分解を行なったんですが、彼は圧倒的に速かった。忙しいはずなんですが、休憩時間などに練習して次の日になるともう習得できている。海外に滞在していたときも、英語の上達は誰よりも早く、すぐに向こうのスタッフやキャストとコミュニケーションをとっていた。それは単純にひとりの人間として嫉妬したし、悔しかった。僕も負けていられないなと思いましたね。

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