――今回の作品は、海外ロケも行われたエンターテイメント大作。こういう作品をやりたかった、という気持ちがあったのでは?
もともと『ミッション・インポッシブル』や『007』のようなスパイ映画が大好きでしたので、こういうドキドキしてスカッとするエンターテインメントを自分が撮ることが出来るということは、うれしかったですね。
監督就任が決まってからは資料を集めて猛勉強
――今回の作品は、若者の日常を描いてきた今までの入江監督のスタイルからするとかなり異色の作品となったように思うのですが。
確かにこれは僕が今まで撮ってきた映画の文脈を、かなり超える作品です。どちらかというと僕は自分の身近な生活や、近くにいるキャラクターを描いてきましたし、主人公も決してイケメンではなかった。こういう少し前の時代の特殊な人たちの話は、勉強することが多くて大変でしたね。
今回、亀梨君が演じるキャラクターにしても、伊勢谷さんが演じる結城中佐というスパイマスターにしてもそうですが、歴史の中では結局、影の存在というか、表舞台には立てない人たちです。もちろん彼らの能力は優れていて、ある種スーパーマン的なところもありますが、社会的な面から見ると決して幸せではなかったのだろうなと。そこが共感できたところですね。もちろん彼らがやっていることは『SR サイタマノラッパー』とは全然違うのですが(笑)。
――シリーズ第3弾『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』では、インディーズ映画としては異例の約2000人のエキストラを集めるなど、大掛かりな撮影が話題を集めました。メジャー作品を手がけるにあたって、そのあたりの経験が活きたということはありますか?
それもありますが、それよりも『SR サイタマノラッパー』3部作を撮ったあとに、テレビドラマを何本かやらせていただいて、そこで勉強できたという面が大きいです。東野圭吾さんの『ブルータスの心臓』を藤原竜也さん主演でやったり、WOWOWで松田龍平さんの刑事ものをやらせてもらったり。そういったことが少しずつ蓄積されて、初のメジャー映画に活きてきたというのはあります。
いきなり『SR サイタマノラッパー』からはさすがに無理だったと思います。ドラマは映画と違って、即効性があるといいますか。企画が立てられてから撮影、オンエアと、早いスパンで動くので、そこで修行させてもらった感じはありますね。
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