「レクサスRX」守りより変革の超モデルチェンジ PHEVや高性能モデルも設定した進化の中身

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同じくRZで登場した高度運転支援技術「Lexus Teammate」も採用。高速道路など自動車専用道路での渋滞時の疲労低減につながる「アドバンスト ドライブ」や、前向き駐車にも対応した並列駐車支援機能「アドバンストパーク(リモート機能付)」などが、システムに含まれる。

アドバンストパークは「リモート機能付」とあるように、専用アプリをインストールしたスマートフォンを操作することで、駐車や出庫が車外からリモート操作できるものだ。専用アプリをインストールしたスマートフォンは、デジタルキーとしても利用でき、ドアのロック/アンロックやエンジンスタートができる。

SUV人気もBEVシフトの波へ

RXは、ラグジュアリーの先駆けであっただけでなく、レクサス初であると同時にラグジュアリーSUV市場でも初となったHEVモデル「RX400h」を設定するなど、レクサスの中でも先鋭的な役割を担ってきたモデルだ。同時に、1998年から2022年4月までに約95の国と地域で累計350万代を販売してきた、レクサスのコアモデルでもある。

レクサス「RX」の従来モデル(写真:トヨタ自動車)

これは、「先進的でなければならないが、ユーザーを引き離すほど前衛的であってはならない」という難しいモデルであることを意味する。そんな中で、この新型RXのチーフエンジニアである大野貴明氏は、「レクサスのグローバルモデルだからこそ、守りに入らず、変革に挑戦してきました」と語る。

たしかに、グローバルで好評だった従来モデルの面影はあるものの、よく見れば内外装ともドラスティックに変化しているし、PHEVのRX450hや高性能なRX500h F SPORT Performanceを追加するなど、パフォーマンス面でもチャレンジが見られる。「継承と挑戦」のバランスは絶妙だ。

世界的にファミリーカーの主役がSUVに移行している今、新しいRXが受け入れられることは間違いないだろう。ただし、日本では1920mmを超える車幅がネックになり、身内のNXが最大のライバルとなる可能性もありそうだ。また、RZという新たなファミリーも増えている。

日本での発売は2022年秋頃というから、街中で頻繁に見かけるようになるのは2023年になってからだろうか。ライバル多きミドルクラスラグジュアリーSUVの中でどれだけのヒットモデルとなるかは、グローバルでのBEVシフトがどれだけ進むかによるのかもしれない。

木谷 宗義 自動車編集者

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きたに むねよし / Muneyoshi Kitani

1981年、神奈川県生まれ。大学卒業後、専門学校で編集を学び、2006年よりフリーランスの編集者/ライターとしてキャリアをスタート。取材・執筆、編集、ディレクション業務のほか、当初よりメディア運営に携わる。現在は自動車編集者として、初心者向けからマニア向けまで幅広く自動車コンテンツの制作やプロデュースを行う。type-e.inc代表取締役。

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