「戦略コンサル」業界で成功する人・しない人の差 「個人の力を磨ける」と近年人気が高まっている

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前述したとおり、戦略コンサル出身者や関係者が非常に多く、もはや供給過多の状態ですから、いかにして差別化を図り、自分を売るかは非常に重要であり、テーマの対象が、製品なのか、サービスなのか、一労働者としての自分なのかで違いますが、戦略コンサルにいた人であれば、そういったテーマの仕事に携わる機会は多いはずです。

そういった経験をいかに自分ごとの思考回路、物事の見方や考え方にまで昇華できるかが勝負の分かれ目であり、その違いは「目的の強さと真摯な姿勢」にかかっているのです。単なる仕事ではなく、自分の成長に昇華させられるか、といったところでしょうか。

何のために戦略コンサルになるのか

何はともあれ、戦略コンサルでは学べることも多く、いろいろな経験もできるでしょう。

ただ、それを単なる経験や学びで終わらせてしまうのであれば、別にほかの会社や業種でもいいわけです。おそらく多くの人が、「自分自身の差別化を図るために」戦略コンサルを選ぶのだと思いますが、何をもって差別化するかなどの目的をはっきりとさせ、その目的に向かって真摯に努力し、続けられるかが一番重要です。

給与の(若干の)高さや華やかに見える業種ということで選ばれる人も多いかもしれませんが、そうではなく、どの仕事を選ぶ際も同じですが、自分は何をしたくて、何を学びたいのかなどを考えたうえで、選んだほうがいいでしょう。繰り返しになりますが、世の中には学びのチャンスも場もあふれていますし、そこで成長ができるかは自分自身にかかっています。

その場にいるから、所属するから成長できるのではなく、その場でほかの人以上に学んだ結果として成長がついてくるのです。あくまでも自分自身の志の強さが勝負なのです。

TMさんが世間の風潮や周りの意見に流されずに、ご自身の考えでもって仕事選びし、もって天職に巡り合えるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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