ロマンスカー博物館「開業ご祝儀」一巡後の正念場 京都鉄博も企画力で勝負、「街の顔」になれるか

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ロマンスカーミュージアムの高橋孝夫館長(左)と広報担当の小泉李緒さん(記者撮影)
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全国のJRや私鉄では毎年、新型車両の登場が注目を集め、その陰で長年活躍したベテランの車両が運行を終了する。地方の私鉄で活躍する第2の人生を送ることができれば幸いだが、ほとんどの場合は解体される運命だ。鉄道の歴史を語るうえで価値があり、とくにファンからの高い人気を誇った「名車両」も例外でない。鉄道ファンにしてみれば、先頭車両だけでもなんとか保存・展示してもらいたい、というのが切実な思いだろう。

だが、鉄道会社も営利企業。保存には広いスペースと維持費が必要になる。展示施設に搬入・展示され、安住の地を得たかに思えても、新たな引退車両に押し出される形で解体されてしまう例もある。そもそも一般向けに常設の展示施設を持っている鉄道会社は多くない。

1周年のロマンスカーミュージアム

鉄道好きの人にアンケートを取って「引退後も残してほしい特急車両」をランキングにすれば、小田急電鉄のロマンスカー50000形(VSE)が上位に入ることは間違いない。伝統の展望席と連接台車、流線形デザインの白い車体が特徴で2005年の登場以来、子供から大人まで世代を超えて人気を集めてきたが、2022年3月11日で通常ダイヤでの運用が終了、2023年秋ごろの引退が決まった。

VSEの生みの親である岡部憲明氏の講演会(記者撮影)
ミュージアム開業1周年企画はVSEが主役(記者撮影)

小田急が運営する「ロマンスカーミュージアム」(神奈川県海老名市)は、3月23日からの2カ月間、展示車両ではないVSEをテーマに特別企画を展開した。4月には3週にわたって土曜日の夜に講演会を開催。第1回の4月9日は、建築家でVSEの設計・デザインを担当した「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」の岡部憲明代表が登壇した。

第2回はVSE導入時にサービス改革に携わり、現在は江ノ島電鉄取締役を務める嶋津重幹さん、第3回は運転士・車掌として乗務した小田急電鉄指導主任の村林健司さんと東宏則さんが、それぞれ当事者しか語れないようなエピソードを披露した。

同ミュージアムによると、参加料3000円で各回50人程度を募集したがいずれも満席になる盛況ぶりだった。とくに岡部氏の回は発売2分で完売したという。5月にはクラブハウスで小田急の乗務員によるVSEのトークイベントを開催。こちらは参加料無料で「ワンオーダー制」としたところ、立ち見が出るほどの人気だった。

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