小田急EXE「いちばん地味な」ロマンスカーの実力 子供に不人気?大人になればわかる"渋い存在"

印刷
A
A
小田急電鉄のロマンスカー30000形「EXE」(記者撮影)
この記事の画像を見る(92枚)

「ロマンスカーじゃない」と駅で子供が泣いた――。このような“不名誉”なエピソードが付きまとう小田急の特急用車両がある。

1996年にデビューした30000形「EXE」。箱根特急として観光客を運ぶだけでなく、ビジネス需要にも対応する期待を背負い誕生した車両だったが、ロマンスカー最大のセールスポイントである「展望席」がないことなどから、子供たちには不人気だったようだ。

その後、世界的に活躍する外部デザイナーを起用して、展望席と連接台車という小田急のフラッグシップ特急の伝統を復活させた“白いロマンスカー”50000形「VSE」の開発につながる。

「ロマンスカーじゃない」のか

EXEはロマンスカーとしては6代目の位置づけで、先輩車両には3000形「SE」(1957年)、3100形「NSE」(1963年)、7000形「LSE」(1980年)、10000形「HiSE」(1987年)、20000形「RSE」(1991年)がある(カッコ内はデビュー年)。連接車はSE車、展望車はNSE以降のロマンスカーの伝統で、JRに直通するRSE以外に採用されてきた。

このシリーズの記事一覧はこちら

小田急によると、愛称のEXEは「Excellent Express(素敵で優秀な特急列車)」にちなんで名付けられた。ほかのロマンスカーは「Super Express」を略した「SE」を用いているが、EXEはそれらと一線を画した格好だ。

違いはほかにもある。鉄道友の会が前年にデビューした最優秀車両を表彰する「ブルーリボン賞」の第1回は1958年のSE車。小田急ロマンスカーのために創られたような賞だったが、歴代車両のうちEXEだけが選ばれていない。EXEのあと、VSE(2005年)、60000形「MSE」(2008年)、70000形「GSE」(2018年)は漏れずに受賞している。

次ページ連結・切り離しで柔軟な運用
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT