「残念な結果」で終わらせないジム・トレの極意2つ 「無理せず」「他人と比べない」がケガ予防のカギ

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たとえば、「スタジオでよい場所を取ろうと走って、つまずいた際に手首を捻挫した」「肌寒さからプールサイドを小走りしたため滑ってお尻を打撲した」といったケースがほとんどです。

ジムでのケガや体調不良を防ぐために最も大事なことは、①ゆっくり動く、②器具や人との距離を取る、③動く方向に先に視線を向ける、④正しい通路・動線を通る、の4つ。過去に実際に起こった事例を挙げて説明しましょう。

ジムで実際に起こったトラブルとは?

先に紹介したスタジオやプールサイドでの事故は、ゆっくり動くことで防げます。

「バーベルのプレートを外す際に隣の利用者に当ててしまった」「プールで前を泳いでいる人の足を手で引っ搔いてしまった」は、距離を取ることで防げる事故です。

「ベンチプレスをしようと寝ころんだら、シャフトに後頭部をぶつけて打撲した」「正面を向いたまま後ずさりし、ダンベルを踏んで捻挫した」などは、動く前に視線を向ければ防げます。

「ショートカットして狭い器具と器具の間をすり抜けた際に、器具に体をぶつけてしまった」「フリーウエイトエリアを横切った際に、ほかの利用者が振り上げたダンベルに指をぶつけた」では、正しい動線を通れば、こういった事故は防げます。

ほかの利用者と場や器具を共有するからこそ、起こりやすい事故もあります。ジムでは他人の扱う重さや走るスピードに惑わされて、無理をしてしまいがちです。 

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無理をしない、がんばりすぎない。
比較すべきはほかの利用者ではなく、先週の自分。

いろんな人が集まる場所だからこそ、より意識しておきたいことです。

以上、ジムでケガをしない、させないために心がけるべきことを列挙しましたが、これらは何も特別なことではありません。

車の事故のほとんどが法定速度、車間距離、直進優先などのルールを守り、譲り合いの気持ちを持てば防げるものです。ジムも同様。ただし道路交通法のように法的規制がないため、よりお互いのルールとマナーに対する意識が重要となるのです。

坂詰 真二 スポーツ&サイエンス代表、フィジカルトレーナー

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さかづめ しんじ / Shinji Sakazume

フィジカルトレーナー、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)にてディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムスで各種アスリートのコンディショニング指導を担当する。1996年に独立後、パーソナル指導、トレーナーの育成とともに、書籍、雑誌、TVなど各メディアで健康情報の提供を行う。8万部超えの「やってはいけない筋トレ」(青春出版社)、22万部超えの「世界一やせるスクワット」(日本文芸社)ほか著書多数。公式youtubeチャンネルはhttps://www.youtube.com/@shin.training-channel

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