私たちは実は相当な超速で宇宙を旅し続けている あなたの年齢は太陽のまわりを旅してきた回数

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私たち個人に与えられた回数は、多くてせいぜい100回分。

個人の時間がこれを大きく超えることは、現時点では生物学的に難しいでしょう。

いっぽうで、個人を超越する、おもしろいチャレンジもあります。

「ロングプレイヤー」という楽曲は、世界で一番長い曲として知られています。

1000年後に向けて演奏が続いている

演奏が始まったのは2000年1月1日、終わるのは1000年後の2999年12月31日の予定です。もとになる曲をコンピュータがアレンジし続けて演奏しているのですが、予定の1000年後に演奏が終わったら、また最初に戻って2巡目が始まるのだそうです。

なんだか壮大な音楽のチャレンジですね。

私は映像でその様子を見たことがあります。

荘厳な音を聞きながら瞑想する人、静かにたたずむ人、いろんな人がいて、それぞれが「今この瞬間」を味わいながら、決して出会うことのない未来の世界に心を寄せているようでした。

夜、寝る前に読みたい宇宙の話
『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』(草思社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

ロングプレイヤーの1回目が終わる世界は、私たちの数十世代後の人たちの時代です。彼らが目にする風景は、いったいどんなものになっているのでしょうか。

地球はその日もまわっているでしょうし、その後もまわり続けるでしょう。

数えきれない命を見送りながら、それでもただ淡々と、自然の法則に忠実に、地球最期の瞬間がやってくるその時まで。

それはまた別のところでお話ししましょう。

前回:人が死ねば星になり、星が死んで人になるの真理(5月4日配信)

野田 祥代 「あいプラネット」代表

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のだ さちよ / Sachiyo Noda

1971年生まれ、愛知県出身。名古屋大学理学部物理学科卒、同大学院修了、博士(理学)。国立天文台天文データセンター勤務後、2018年より「あいプラネット」代表。理系文系の垣根をゆるやかにつなぐ「体験型リベラルアーツ™講座“はてなアカデミー”」エグゼクティブ。親子グループ「やとっこ天文あそび」、立場を越えて身近な宇宙を知ってもらう「西東京から宇宙を見よう」などのプロジェクトを手掛ける。「つたえよう 宇宙のふしぎ 星のふしぎ 地球のふしぎ 命のふしぎ」を合言葉に親子向け、大人向けの宇宙イベントを各地へ届けている。

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