先ほど、ドレッシングに含まれる「塩分」について指摘しましたが、ドレッシングの「濃い味」を作り出すのに必要なのが、「塩分」「化学調味料」「たんぱく加水分解物」、そして「エキス類」です。
さらに、ものによっては「たんぱく加水分解物」が入っているものもあります。これも味を濃くするための役目を果たします。
『食品の裏側』で詳しく紹介し、「日本人の舌を壊す『黄金トリオ』の超ヤバい正体」でも述べたことですが、「①食塩(精製塩)」「②調味料(化学調味料)」「③たんぱく加水分解物」という、私が「黄金トリオ」と呼ぶ「うま味のベース」がそろい、そこに「各種エキス類」の味が加われば、簡単に「おいしい」と思える味を人工的に作り出すことができるのです。
私が現役時代には「肉エキス」「酵母エキス」などをドレッシングメーカーに納入したことはなく、そういうものを使うという感覚がありませんでした。しかしいまではこうした「エキス類」が使われているのが当たり前になっています。
それほど、「濃い味」のドレッシングが増え、支持されているのです。
「業務用のドレッシング」への苦言
それからこれは少々苦言を呈することになってしまうのですが、外食店で出てくるドレッシング。店によって「これはちょっと残念だ」と思ってしまうときがあります。業務用の安いドレッシングを買ってきて、そのまま出しているような店です。
すべてとはいいませんが、業務用のドレッシングは総じてコストを安く抑えるために、安い材料を使って、添加物も多く使われている傾向にあります。そういうドレッシングは少なくとも私にはおいしいとは感じられません。
何が何でもドレッシングは自家製でなければいけないとは言いません。サラダばかりにかまけてられないという店もあるでしょうし、コストの問題もあるでしょう。
しかし「ただ安いものを買ってきてかければいい」というのではなく、せめて吟味したものを出してほしいと思います。少なくとも、「食材についてあれこれこだわっています」と言う店が、平気で「業務用ドレッシング」をそのまま出していたりすると、非常に残念に思ってしまいます。
私が先だって行った店では、ワイングラスにオリーブオイルと玉ねぎ酢を混ぜ、すりおろしのブラックペッパーを載せたドレッシングを、その場でサラダにかけてくれました。店の「こだわり」が感じられました。
やっぱりそうやって「こだわったドレッシング」で食べるサラダはおいしいものです。
「平気で『漬物』を食べる人が知らない超残念な真実」でも取り上げた「飲食店での漬物」と同じことですが、やはり「店のこだわりは細部に宿る」ものだからです。
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