今どきのドレッシングを試食してみて、まず驚いたのは「味が濃い」ということ。塩分や「エキス類の味」がかなり強いのです。
メーカーがすすめる1食当たりの量は「約15グラム(大さじ1)」が多いのですが、たとえば私の見たものは15グラム(1食分)当たりで食塩相当量が「0.6グラム」とありました。
これは濃度で考えると4%。海水の塩分濃度(約3%)より濃いのです。いわば海水をかけて食べているのと同じです。
「減塩ドレッシング」というのも売られていましたが、こちらは塩分が「2.5%」となっていました。
2.5%というのは、私に言わせれば、そこそこ高い塩分濃度です。それを「減塩に成功した!」と宣伝しているのだから、まさに「ハイレベル」な争いです。
「濃い味」を作り出すために「塩分」が必要
なぜこんなに塩を入れるのかというと、単にしょっぱくするためではないのです。
ドレッシングの添加物問題については後述しますが、「調味料(アミノ酸等)」と表示される「化学調味料」に加えて、「たんぱく加水分解物」や数々の「エキス類」を駆使して「しっかり際立たせた濃厚な味」を作り出していくわけですが、そのためには、ある程度の塩分が必要なのです。
塩分を使っているからこそ、「うま味」が強い、「濃い味」が作りだされるわけです。
厚労省が目標としている1日の塩分量は男性が7.5グラム未満、女性が6.5グラム未満ですが、たった1食分のドレッシングだけで、1グラムほどの塩分をとってしまうこともあるのです。
「濃い味のドレッシング」は、もう1つ別の問題があります。「平気で『サラダ』を買う人が知らない超残念な真実」で述べたことですが、「濃い味のドレッシング」を好む人ほど、「野菜本来の味」ではなく「ドレッシングの味」で食べるという構図になってしまいがちです。
つまり濃厚なドレッシングのせいで、「野菜本来の味」がわからなくなってしまうのです。これは「焼肉のタレ」でも同じことです。
本来、ドレッシングは野菜をおいしく食べるための調味料のはずです。これではどちらが主役かわかりません。
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