平気で「ドレッシング」を買う人の3大深刻盲点 「塩分と隠れ油…」よくある「濃い味」の正体は?

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市販のドレッシングの話をしてきましたが、やはり家庭ではドレッシングは手作りすることをおすすめしたいと思います。手作りすれば油や塩も控えられるし、添加物はゼロで作れます。

そもそもドレッシングは作りたてがいちばんおいしいのです。作って時間がたつと、すったゴマや酢の香りが飛んでしまうからです。

「安部ごはん」でも「魔法の調味料」の1つ「たまねぎ酢」を使った「絶品ドレッシング」をいろいろ紹介しています。

安部氏が開発した「魔法の調味料」の1つ「たまねぎ酢」さえ用意すれば、5分で簡単に作れるドレッシングの一例(上から「お手軽イタリアンドレッシング」「コクのごまドレ」「マイルド豆乳ドレッシング」/撮影:佳川奈央)

たとえば私が幼稚園で一緒に実演し、子どもたちが大喜びした「ごまドレッシング」は、まずは「煎りゴマ大さじ1」をすり鉢ですったものを用意し、そこに「『甘酢』大さじ2」「『かえし』大さじ1」を混ぜたものです。すりたてのゴマの香りに、みんな感動していました。   

ここでのコツは、必ずすり鉢ですること。市販の練りゴマではこの香ばしさは出ません。そしてこのゴマの香りは5分、10分で飛んでしまいます。これこそ、市販のドレッシングでは絶対にマネのできないことです。

お母さんたちは、「自分たち流」にアレンジして、同じく「煎りゴマ大さじ2」をまずすって、香りが出たところに「『甘酢』大さじ2」と「『たまねぎ酢』のたまねぎのみ大さじ1」「しょうゆ少々」を混ぜて作っていました。これもシンプルでなかなかいいと思いました。

「甘酢」も「かえし」も「たまねぎ酢」も、私が開発した「魔法の調味料」の1つです。これらの「魔法の調味料」さえ作って用意しておけば、「絶品ドレッシング」を自宅で簡単に、ものの数分で作ることができるのです。

「自分好み」にアレンジでき、「食育」にもなる!

「手作りドレッシング」の楽しいところは、いかようにも「自分好み」にアレンジできるところです。

安部司さんが考案した5つの「魔法の調味料」。常備しておけば、ドレッシングも数分で手作りできます(写真:佳川奈央)

お酢、油、調味料、ゴマやシソなどを用意しておいて、家族それぞれが自分の好きな組み合わせでドレッシングを作るのも楽しいものです。親子で一緒に作れば「食育」にもなります

いま紹介した子どもが作った「ごまドレ」も、5歳の幼稚園児が自分で作れるものです。「安部ごはん」のよさは、幼稚園児でも作れるメニューがあり、小学生なら簡単に作れるメニューがたくさんあることだと自負しています。

また「1回の食事で食べる分だけ」を手作りすれば、材料も無駄になりません。わが家ではドレッシングは、50ccぐらいのガラスのボウルで作っています。その日の気分で、計ることもせずに材料を入れて混ぜるだけです。足りなければ、「魔法の調味料」を組み合わせて、追加で必要な分を作ればいいし、家族で好みが違えば、それぞれ味を修正すればいいのです。時間も、ものの2~3分でできます

安部氏が考案した5つの「魔法の調味料」。 左から順に、「みりん酒」「甘みそ」「たまねぎ酢」「甘酢」「かえし」(撮影:佳川奈央)

それに、家で作れば、賞味期限のあやしいドレッシングが冷蔵庫のドアポケットに何本もゴロゴロ……という悩みもなくなります。

もちろん、市販のドレッシングを使うこと自体を否定するわけではありませんが、その場合は「塩分」「油分」「添加物」を、知らないうちに、多くとりがちということを「知って」使ってほしいと思います。

ドレッシングは、わざわざ買わなくても、家で簡単に手作りできます。みなさんも一度「手作りドレッシング」を試してみながら、「自分好みを作る楽しさ・おいしさ」「冷蔵庫がスッキリする快適さ」をぜひ体感してみてください。

安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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