アラサーのための戦略的「人生相談」--どうしたら「豊かさ」を実感できますか(その2)


広瀬 一郎

■■第7回 どうしたら「豊かさ」を実感できますか(その2)

柿谷建・仮名 32歳 男性 金融機関勤務

広瀬:今回は、「豊かさ」について考えるために、まず「貧しい社会」のことについて考えることからスタートします。

人類は誕生以来、何万年にもわたって、「皆が腹を満たすこと」、つまり全体の需要を満たすだけの供給を確保する社会を目指してきました。そして、「それが初めて実現したのは、19世紀の英国である」と、名著『豊かさの誕生』の中でバーンスタインは述べています。

この本は分厚いですが、志を持った人にとって、必読書の1つです。社会が豊かさを獲得できたのは、「産業革命」のおかげなんですね。「武士は食わねど高楊枝」という言葉があります。武士であれば、多少ひもじくても、楊枝をくわえて、さも満腹のようなふりをしろ。つまり「弱音を見せるな」ということです。

一方で「衣食足りて、礼節を知る」という言葉もありますね。これは、人が礼儀正しく振る舞えるのは、「衣食足りて」からのことだ、という意味です。キリスト教には、「人はパンのみにて生きるにあらず」なんて言葉もあります。いずれにせよ、「人類には、日常的にひもじい思いをしてきた実に長い歴史がある」ということです。

そして、明日の米櫃(こめびつ)の心配をしなくちゃならない時代の最優先事項は、「食べるものを確保する」ことでした。その頃は、「豊かさの第一条件」は「食うに困らない」ことだったに違いありません。しかし、21世紀の日本で「食べること」が最優先であるという人は、かなり特殊ですね。

豊かさを意識しないのがいちばん幸せ

話は変わりますが、人は誰しも一度は「呼吸」を意識したことがあるはずです。あなたはどうですか?

柿谷:ありますね。

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