読み方にも秘訣、東大生推薦「勉強になる漫画」3選 「学問とは無縁」という考えは大きな間違い

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③読解力が鍛えられる『BILLY BAT』

最後はこの漫画、浦沢直樹著「BILLY BAT」です。東大生の友だちとみんなで読んで語り合うことが多い作品なので紹介します。

BILLY BAT(1) (モーニング KC)
『BILLY BAT(1) (モーニング KC)』(講談社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

漫画家の主人公は、ただの漫画のキャラクターであるはずのコウモリに話しかけられ、自分が作ったはずの漫画がどんどん現実のものになっていき翻弄されるようになります。

そして実はそのコウモリは、アドルフ・ヒトラーやアインシュタイン、フランシスコ・ザビエルなどの歴史を変えた有名人たちにも見えていたことがわかっていき、さらにケネディ大統領の暗殺や9.11のテロなど実在の事件にも繋がっていく……という、歴史を巻き込んだ壮大なスペクタクル漫画がこの『BILLY BAT』です。

この漫画は非常に難解な作品で、僕自身、何度読み直したことかわかりません。でもそれだけ重層的で、非常に勉強になる作品です。そしてそうやって読み直すうちに気付いたのですが、これは非常に読解力が鍛えられる漫画です。

「物語」というものの考え方が非常に示唆的

作中で主人公たちが作った漫画のエピソードが、そのまま現実の世界でも起こった出来事になっていく話の構成上、1ページ前ではコウモリやウサギが登場してしゃべっていたかと思えば、その次のページではまったく同じ構図で人間の登場人物たちが話をしている……なんて描写もはさまれて、もうこれが実際に「BILLY BAT」という漫画の世界の中で起こっている出来事なのか、それとも主人公たちが作っている漫画の中だけの話なのかわからなくなってしまいそうになります。

しっかりと読み込まないと話を追えなくなるので、だからこそ本を読解する訓練になります。

東大×マンガ
『東大×マンガ』(内外出版社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

そして、作中で描かれている「物語」というものの考え方が非常に示唆的で勉強になるのです。「登場人物たちには必ず何かの役割がある」「解釈は人それぞれ」「人間はたまに思い掛けない行動を取る」「作者は何らかの思いに突き動かされて作品を描いている」……これらの大原則を、生き生きと伝えてくれます。

この物語自体が実は、物語の読み方を教えてくれる作品なんじゃないかと思えるくらい、この作品は読解力を高めてくれるのです。みなさんぜひ、読んでみてください!

いかがでしょうか。ただこれらの作品を読めば学校の成績が上がるとか資格試験でいい点が取れるとかそういうことはありません。でも、これらの作品は「生かそう」と思えばいくらでも生かすことができると思います。東大生は、ただ漫画を読んでいるのではなく、勉強に生かす読み方ができているから漫画から勉強できているのです。

ぜひ皆さん、漫画を読んで勉強に生かしてみてください!

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