スマホで成績上がった!?ウソみたいなホントの話 上手に使いこなすには親のサポートが重要

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たいした影響力がないのなら、親も子もイライラしないで明るく過ごせるほうがいい。スマホへの不安から、子どもの未熟な点ばかりに目を奪われてはいないでしょうか?

欠点の克服からスタートすると伸びない

私は長年、塾で教えていましたが、授業の前に必ずその子の長所を指摘します。

「きみはおしゃべりが上手だから、そこを伸ばすといいよ」なんていうぐあいです。それから本番の授業になりますが、みんないい気分になっているから、すごく集中して授業を聞いてくれます。「自分から勉強するようになりました!」と、親御さんがびっくりして知らせてくれることもありました。

教育の世界でたくさんの子どもを見てきた経験から言えるのは、人は欠点の克服からスタートすると伸びないということです。長所を指摘して伸ばしてやると、欠点を自分で正していくようになります。

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スマホを持ってもゲームはなるべくやらないで勉強してね、という態度で接すると、子どもはむしろ逆をいきます。それならゲームをする際のルールを決めて、その枠の中で楽しんでね、としたほうがいい。

勉強のことにふれなくても、やるようになります。なぜなら、勉強はやらなきゃいけないことだと子ども自身がわかっているからです。やろうと思っているのに「勉強は?」と口を出すから反発するのです。

ゲーム課金の怖さや人間関係のこじれを動画で学んでいる、自分から発信することで積極的な性格になった、コロナ禍でも友達とやりとりできるので心が安定しているなど、勉強以外のメリットを感じている方もいます。

現代の子どもはどこかの時点で、必ずスマホとかかわりを持つことになります。ネガティブな面だけでなくポジティブな面にも目を向けて、お子さんがスマホを上手に使いこなせるようにサポートしてあげてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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