後半はまさに宇宙が舞台となります。NASA熟練の宇宙飛行士、ボブ・ベンケンとダグ・ハーリー、そして彼らの家族にもフォーカスし、打ち上げに向けて過ごす日々から国際宇宙ステーションへの飛行、そして無事の地球帰還までカメラが追います。地上の管制室でスペースXチームとマスク氏が緊張しながら見守る様子も漏れなく映し出されています。なかでも、成功を祈願して「願掛けアイテム」にまで頼るエピソードは微笑ましいものです。マスク氏も“とあるもの”を用意しています。チーム一丸が求められる場面で彼も意外と協調性があることを知らされます。
これも彼の一面でしょう。劇中で「イーロン・マスクとは何者?」という問いそのものがあり、その答えは「私たちと同じ人間です」というものでした。やはり神格化しすぎている面は否めません。制作したエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィとジミー・チンの2人の監督はドキュメンタリー映画「フリーソロ」でアカデミー賞を受賞したことのある実力派ですが、宇宙とマスク氏の掛け合わせで、うっかり魅了されてしまったのかもしれません。
イーロン・マスク主役の新作も
実は旬なイーロン・マスクを主役にした新たなドキュメンタリー映画も生まれています。そのタイトルは「Elon Musk: Superhero or Supervillain?」です。日本語にすると「イーロン・マスクはスーパーヒーローか、それとも超悪玉か?」という意味です。イギリスの公共テレビ局「チャンネル4」が制作したもので、今後、世界配給の展開が計画されています。
「地球上で最も影響力のある人物の1人であるイーロン・マスクにじっくり迫るドキュメンタリー」だそうです。公式番組情報には「イーロン・マスクの未来への影響力は驚異的であり、その影響力は世界中のさまざまな技術に及んでいる。彼の好き嫌いにかかわらず、彼の行動が生活にも影響を及ぼしていることがわかる作品」と説明があります。
南アフリカ生まれの起業家の表向きの姿だけでなく、周りに対して強引な行動や人種差別の疑惑もある彼の負の要素にも切り込むことに期待が持てます。「イーロン・マスクはいったい何者か?」と、彼に向けられた問いはまだまだ尽きそうにありません。
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