128分間でわかる「イーロン・マスク」意外な人物像 「スペースX」20年を描いたドキュメンタリー

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「地球は人類の“ゆりかご”だが、永遠には住めない。今こそ前へ進み、星空の中で羽ばたき、人類の意識の範囲を広げる時だ」と、語るマスク氏。

彼のこの言葉に共感して宇宙へのロマンを感じる人もいるでしょう。一方で、彼の強かな宣伝文句のように感じる人もいそうです。見る人によって受け止め方が大きく分かれそうですが、「夢」と「カネ」の両方をちらつかせる彼の野望には興味がそそられます。

宇宙ビジネス新時代を作る男

前半のロケット開発話は幾度となく繰り返された“失敗”に焦点を当てています。それでも“失敗から生まれる成功”を信じ続けるマスク氏の姿に熱くもなります。日本円で15兆円を優に超える資金を投じ、スペースXから再利用可能なロケットを作り出し、ついに2019年、有人宇宙船のデモンストレーション飛行を成功させます。余談ですが、このロケット開発に投じた額と比べると、約5.6兆円と言われるTwitterへの買収提示価格はお買い得感さえあります。

いずれも桁違いの金銭感覚を持つ富豪は、夢が現実に近づいた瞬間に人間臭い面も見せています。管制室で思わず「良かった。神に感謝だ。いや、(感謝するのは)誰にでもいい」と声を漏らして喜ぶ姿がまさにそう。本音が聞けるのは密着ドキュメンタリーの醍醐味です。

本作はイーロン・マスク肝煎りプロジェクトが宇宙ビジネスを一変させたことを大絶賛している場面も多いです。「宇宙飛行史で宇宙船を軌道に乗せ、無事に地球に帰還させた団体はわずか4つ。アメリカ、ロシア、中国とイーロン・マスクのみ」と紹介し、彼の偉業を最大限に讃えています。

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