④ 主要国では日銀だけが利上げをしていないし、インフレにもなっていない。それゆえ、日本だけがスタグフレーション(不況下のインフレ)にならない。また、国債とのイールドギャップ(投資利回りから長期金利を引いた差)で見れば、株式の配当利回り・不動産の利回りは有利で、日本株・日本の不動産を買う理由がある。
金融政策の正常化ができないのは最大のリスク。アベノミクスで円安となり、かつ日銀が出口を失い、かつまったく動けない状態になっている。「日本はインフレでなくて、うらやましい」ではなく「インフレにすらならないほど経済は弱く、かつ利上げもできず、日銀は追い込まれている」。
日銀はETF(上場投資信託)の買い入れすら廃止できていない。
円安不安の個人投資家へ、証券会社がアメリカ株式の買いを勧める誘い文句も、市場関係者でない人々の常識からはかけ離れている。
アメリカ株の調整はまだ済んでいない
⑤ アメリカ株はこのところの下落により、調整はほぼ済んだ。PER(株価収益率)などで見ても、十分割安といえる領域に入ってきた。そろそろ底打ちで、買いのタイミングが近づいている。
論理的にはありうるが、現実的には間違っている。
⑥ ナスダックの下落率は大きいが、それこそが将来有望で買い時である証左だ。株価30%の下落は、これまでの企業の平均利益増加率の年15%を維持できれば、2年で取り返せる。長期には、株はつねに買いである。
2000年のITバブル(テックバブル)では、アマゾンやヤフーなどは100分の1程度まで下落した。100のときよりは1のときに買ったほうがよい。今買うよりも来月、あるいは来年買ったほうがましである。
このうち5と6については、今後、バブル崩壊のプロセスがどうなるかを描写する中で、さらにはっきりと間違い(ウソ)であることが明確になるだろう。これからのバブル崩壊のプロセスは、あとで述べよう。
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