いよいよ「すべてのバブル」が崩壊しかかっている ウォーホール「モンロー250億円落札」の意味

✎ 1〜 ✎ 116 ✎ 117 ✎ 118 ✎ 最新
拡大
縮小
④ 主要国では日銀だけが利上げをしていないし、インフレにもなっていない。それゆえ、日本だけがスタグフレーション(不況下のインフレ)にならない。また、国債とのイールドギャップ(投資利回りから長期金利を引いた差)で見れば、株式の配当利回り・不動産の利回りは有利で、日本株・日本の不動産を買う理由がある。

金融政策の正常化ができないのは最大のリスク。アベノミクスで円安となり、かつ日銀が出口を失い、かつまったく動けない状態になっている。「日本はインフレでなくて、うらやましい」ではなく「インフレにすらならないほど経済は弱く、かつ利上げもできず、日銀は追い込まれている」。

日銀はETF(上場投資信託)の買い入れすら廃止できていない。

円安不安の個人投資家へ、証券会社がアメリカ株式の買いを勧める誘い文句も、市場関係者でない人々の常識からはかけ離れている。

アメリカ株の調整はまだ済んでいない

⑤ アメリカ株はこのところの下落により、調整はほぼ済んだ。PER(株価収益率)などで見ても、十分割安といえる領域に入ってきた。そろそろ底打ちで、買いのタイミングが近づいている。

論理的にはありうるが、現実的には間違っている。

⑥ ナスダックの下落率は大きいが、それこそが将来有望で買い時である証左だ。株価30%の下落は、これまでの企業の平均利益増加率の年15%を維持できれば、2年で取り返せる。長期には、株はつねに買いである。

2000年のITバブル(テックバブル)では、アマゾンやヤフーなどは100分の1程度まで下落した。100のときよりは1のときに買ったほうがよい。今買うよりも来月、あるいは来年買ったほうがましである。

このうち5と6については、今後、バブル崩壊のプロセスがどうなるかを描写する中で、さらにはっきりと間違い(ウソ)であることが明確になるだろう。これからのバブル崩壊のプロセスは、あとで述べよう。

次ページバブル崩壊の「3つの兆候」とは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT