本を読み「ものにする人」と身につかない人の大差 「独学」を三日坊主で終わらせないために必要な心得

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ただし、その本の基本コンセプトや基本の考え方については、きっちりわかるように読むことは大事だと思います。入門書や概説書といっても、初めての分野なのですから、要点だけつまみ食いというのはなかなかできません。ですから、その本やその分野の勘所がわかるまでは、少し精読する必要があると思います。

本を書いている著者には何か大きな考え方があって、1つひとつ組み立てながら書いているはずなので、そういう何かベースとなる考え方をおぼろげながらでもいいから、理解できるまでは、ある程度しっかり読んだほうがいいでしょう。

ですから、こうした意味でも、本を2段構えで読むことは意味があるのです。

1回目は書かれている内容をすべて受け入れるつもりで、ともかく読み進める。その目的は、筆者の考え方なりメッセージなりを理解することです。そこがある程度わかってくるまでは、少し腰を据えて我慢して読むことが必要です。ただし、枝葉の部分や難解な部分には、あまりこだわることなく読み進めることです。最後まで読み進めてみると、途中でわからなかったことも、読み返してみて理解できることもあります。

考え方やメッセージがある程度理解できたら、2回目は勘所みたいなものをつかんでいくのです。そのときは、批判的な目を持って疑問を持ちながら読んでいきます。2回目は、興味ある部分を重点的に読んでいくのがいいでしょう。そのうえで、わからないことは、時間をかけて何度も読み直していけばいいのです。

ものごとを「普遍化」させていく

そもそも、経済学や歴史学のような社会科学系の学問を学ぶ場合、最終的には社会をどのように理解するのか、その理解の仕方を身につけるところに意義があります。例えてみれば、社会というとりとめのないものを料理するために、その道具として包丁や料理用具を手に入れるようなものです。

社会で起こっている出来事や自分の目の前に起こっている現象を、自分なりにどう理解して、どのように解決に持っていくのか。仕入れた知識や情報を材料にして、そこまで自分の中で考えを深めて、実際に役立たせていくことに、学問を勉強する意義があります。

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