本を読み「ものにする人」と身につかない人の大差 「独学」を三日坊主で終わらせないために必要な心得

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でも、勉強をはじめる前にまず知っておいてほしいのは、本の内容を覚える必要なんてまったくないんだということです。読んだことや聞いたことをそのまま頭の中に入れるだけでは、それは、本当の意味で学んだことにはならないのです。

勉強や学びのプロセスとは、実は、いったん押し返してみることです。

偉い先生が言ったことを鵜呑みにするのではなくて、教科書でも本でもそこで得た知識をもう一度自分なりに組み立ててみる。場合によっては、著者である偉い先生とは違う理屈を自分なりに語れるくらいにしてみる。本当に正しいのかという反論も含めて頭の中で考えていくことが、学びの大事な過程なのです。いや、それこそが学びです。何度も頭の中でさんざん反論してみたあげく、ああ、やっぱりこの人の言っていることは正しいかと、自分で納得できたときに、初めてその内容がわかったと言えるのだと思います。

とりわけ、これまで受験勉強など解答テクニックの習得がしみついてしまっている人は、何でもかんでも素直に受け入れすぎる傾向があるように見えます。本に書かれていることは疑いもなく信じてしまうし、とくに偉い先生が言っていることや、有名な新聞に書かれていることを素直に信用する傾向があります。

あまりに素直に読みすぎてしまうと、右から左に抜けていってしまうので、結局のところ本当の意味では何も身につかないんだと思います。

極端なことを言えば、勉強は疑うことからしかはじまらないと私は思っています。学びたいという欲求は、何か疑問があったり反論があったりするところから湧き出てくるものです。ですから、学ぶクセをつけるには、教えられたことをただ素直に受け入れるのではなく、疑問を持つことが第一だと思うのです。

本の中に正解を探さない

私は本から得られる何らかの情報や知識をもとに、自分なりに考えていく過程のほうが勉強するうえで大事だと考えていますから、本を完璧に理解することに時間と労力を費やすのは無駄だと考えています。わからない単語があっても別にいい、わからない内容があっても別にいいというふうに割り切って読んでいってかまわないと思っているのです。

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