池上彰「報道の自由が大切な理由を知ってますか」 中国の情報統制で、世界中で多くの人が犠牲に

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固定電話に電話をして誰かが出てくると「世論調査に協力してください」とお願いしますよね。相手が「いいですよ」と言ったら、世帯の人数を聞いて「お宅の家族で18歳以上は何人いますか?」と聞くわけ。たとえば「4人います」と返ってきたら、調査員がいわば乱数表(サイコロみたいなもの)に従って、3と出たら電話の相手に「お宅で年齢が上から3番目の方にお願いします」と対象者を決めます。仮に「いま大学へ行っています」と言われたら、「何時ごろ帰られますか」というかたちで、一度決めた対象者を変えることなく何度かかけ直すんです。回答者に偏りが出ないように調整もしているんですね。

世論調査の結果というのも、どんな調査方法をしたのかも含めてきちんと書いていないとこれは信用できないということです。

少なくとも、いつ、どういう方法で調査をしたのか、最低でもこれだけは書いておかなければなりません。そうでないと、世論調査の結果を読んだり見たりするわれわれがそれを検証できないからです。

だからぜひ君たちには、世論調査が出たら、どういうやり方で調査をしたのか、あるいはどのような問いをしたのか、そこまで含めてチェックをするという習慣をつけてほしいと思います。君たちのところにもし電話がかかってきたら、ガチャンと切らずにぜひ自分の意見を表明してほしいと思います。

意外と知らない視聴率調査

テレビでいえば「視聴率調査」というのがあるよね。視聴率の調査って実はこれ、テレビ局のためにやっているんじゃなくて、スポンサーのために始まった調査なんです。

スポンサーというのは多額のお金を出しているけれど、そのCMが本当に見られているかどうかわからないわけでしょう。だからどれだけの人が見ているかデータが欲しい。その要求に応えるために、電通がお金を出して「ビデオリサーチ」という会社をつくって始めたんです。

当然のことながら視聴率は統計学的な調査ということになります。すべての世帯を調査するなんてことはできないので、そこでたとえば関東地方、1都7県(1都6県+静岡県の東部)に東京の放送局の電波が行きますから、その範囲の2700世帯にビデオリサーチが調査機械を置かせてもらっています。

置かせてもらっている家庭には協力金というかたちでわずかですがお金が支払われていますけど、「機械を置いていることは秘密にしてください」ということになっています。

テレビの横にさりげなく置いてあるんですね。関西は1200世帯、名古屋は600世帯です。そして北部九州と札幌は400世帯、それ以外の主なところは200世帯。毎日そのデータがビデオリサーチに行き、それが翌日、各放送局、あるいはスポンサーにいくというかたちになっていました。

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