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池上彰が解説、ジャーナリストが「戦場に行く」訳 日本と海外では彼らへの「向き合い方」が違う

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法王の「法」というのは仏法の法だよね。仏教のトップの人のことを法王と呼ぶんです。仏教的な呼び方なんですね。だからたとえばチベットのダライ・ラマ14世のことは、「ダライ・ラマ法王」といいます。

バチカンのローマ教皇側は、信者に教える、教という文字こそがふさわしいと言っていました。そこで教皇が日本に来ることをきっかけにローマ教皇と呼ぶようになりました。日本のマスコミもそれに従ったというわけです。

ジョージアとロシアの戦争のその後

話がそれました。なぜ私が2009年にジョージアへ行ったのか。

2008年、ジョージアとロシアが戦争になりました。ジョージアには、「南オセチア」という自治州があるんですね。そこには、「ジョージアから独立してロシアに編入したい」という人たちがいるんです。でもジョージアは独立を認めない。一方ロシアは、南オセチアを受け入れようと、ここにロシア軍を駐留させるんです。

2008年8月8日、北京オリンピックの開会式、このときウラジーミル・プーチン首相は北京オリンピックの開会式に出席していました。プーチンは当時、大統領の座を自分の忠実な部下のドミートリー・メドヴェージェフに譲り、自分は首相の座にいました。大統領の任期は連続2期までだったので、任期満了後、いったん大統領の座を降りていたのです。その後、再び大統領に就任するのですが。

その開会式の真っ最中、ジョージアは南オセチアに軍隊を侵攻させたんです。当時のジョージアの大統領は、オリンピックという平和の祭典の最中に軍を動かせば、ロシアは戦争をするわけにはいかないだろう、こちらを攻撃できないだろう。だから絶好のチャンスと考えたわけです。

ところがプーチン首相は直ちにモスクワにとって返し、ジョージアを攻撃し、南オセチアの大半を占領しました。南オセチアには、まだロシア軍が駐留を続けています。

それからちょうど1年後、私はその最前線がどうなっているかを確かめたいと、カメラ1台を持って、現地へ行ったというわけです。ロシア軍がジョージア側に銃を向けている、その最前線の様子をカメラに収めたかったんですね。

現地に行くと、装甲車がありました。そこに「POLICE」と書いてあるんです。どうみても装甲車で、軍事用の装備をしているのに警察だというわけです。

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【「南オセチアはあくまでジョージアの一部」だという建前】

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