「街づくりにはパン屋が最強」と言える7つの理由 日本における最強コンテンツをどう生かすか
パン屋ができたおかげで団地の商店街が再生された、地域に新しい店が増えたなど、パン屋がきっかけとなってまちの風景が変わる事例が出始めている。
10年ほど前から空き家などの遊休不動産を利用し、まちの活性化を図るリノベーションまちづくりに関わってきた建築家の嶋田洋平氏は「まちづくりをしたければパン屋をやるべき」と話す。
自身も2017年から豊島区の住宅街の中で「神田川ベーカリー」を経営。知らなければたどり着けないような立地ながら、時間によっては行列ができるほどの人気店となっている。パン屋とまちづくり、一見無関係な2つの深い関係について聞き、その理由を7つにまとめた。
まちづくりは建物よりコンテンツが重要
建築家が関わって建物をリノベーションするものの、まちづくりは建物よりコンテンツが大事だ。まちに元気がなくなるのは既存のビジネスが成り立たなくなっているから。特に大量に作られたものを仕入れて売るような商売ではアマゾン、イオンに勝てるわけはない。新たにそこで成り立つビジネス、コンテンツを考えなくてはいけない。
そこで嶋田氏はリノベーションまちづくりが始まって以来、シェアオフィス、アトリエショップ、その地域の食を生かした飲食店など、さまざまなコンテンツを仕事ではもちろん、個人でも試みてきた。
その嶋田氏が今、まちづくりにパン屋を勧めるのには、やってみてわかったことも含め、いくつもの理由がある。
まず、誰もが思いつくのは1つ目の理由は老若男女を問わず、パンを嫌いな人は少なく、かつ毎日食べるものであるという点だろう。嶋田氏が最初にパン屋を思いついたのにも多分にそうしたふわっとした部分がある。
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