「スマホ読書」で頭が良くなる!5つの納得理由 「気が散る」「集中できない」スマホを逆活用する

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【理由5】いつでもどこでも「知的生産」できる体質になる

「自宅の椅子じゃないと本がじっくり読めない」「午後の休憩のお茶のときにカフェで本を開くのが私の読書時間」などという人もいるかもしれない。

もちろん、いつどこで本を読むのかは個人の自由だが、ただでさえ、さまざまな情報が流れ込んできて集中力が続かず、注意散漫になりやすい現代人が、自分で読書する時間と場所を決めつけてしまうと、読書に使える時間はどんどん減っていってしまう

だからこそ、現代においては、「どんな場所でも読書できるように自分を適合させていくこと」が重要である。

ここでヒントにしたいのは、所有物をできるだけ減らし、身軽でシンプルなライフスタイルを送る「ミニマリスト」の姿勢である。

自宅のモノを減らす代わりに、近所のカフェをリビングに、スーパーをキッチンに見立てるなどして、街全体をくつろげる場所にしようとする考え方があり、「慣れればどこに行ってもくつろげるようになる」という精神的なメリットがある

ミニマリストにならって、「この場所じゃないと、この時間じゃないと、本が読めない」という呪縛から自分を解き放ち、いつでもどこでも本を読めるように自分を改造していく。そのために有効なのが、スマホをはじめとしたマルチデバイスを駆使することだ。

「ミニマリスト読書」を体得し、いつでもどこでもスマホに手を伸ばせば読書できるようになれば、これまでよりも多くの読書時間が確保できるようになるだろう。

スマホを「最強の知的ツール」にする

「机がどう」「椅子がどう」という問題ではなく、読書の本質は「文字と文章に自分が向き合うこと」である。

紙の本に比べて、「電子書籍」や「スマホの画面」は読みにくいと感じる人がいるかもしれないが、これも「慣れ」の問題だ。

どんな場所でも、どんな時間でも、どんな姿勢であっても、どんな環境でも、本を読めるようにする。忙しい現代人が限られた時間を駆使して「知力」を身につけるためには、この「新しい読み方」が必要なのだ。

この複雑な世界を生き抜いていくために、ぜひ多くの書籍にふれて「多様な視点」を身につけ「知力」を磨いていく、そのためのひとつの手段として「スマホ読書」を実践してみてほしい。

そうすれば、私たちの「生産性」を落としていたのはスマホそれ自体ではなく、スマホを手にすることで「目に入ってしまう余計な情報」だったということに気がつき、スマホを「最強の知的ツール」として使いこなす「新しい読み方」への道が開けるはずである。

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

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