とはいえ、価値観の違いがあることがトラブル要因に直結するわけではありません。問題の背景には、「支配する母親」と「支配される子ども」という立場が固定化してしまう「共依存」関係が存在していることがほとんどです。
当たり前ですが、乳幼児期の子どもは、生活のすべてを親の管理下で養育されます。ゆえに母親が導いてあげる場面が多くなるのは当然です。ただ、この時期の関係性は、母親にある危険な感覚を生じさせることにもつながります。自分の一方的な意見や感情で対応しても「言うことを聞いてくれる相手がいる」という感覚です。
特にパートナーとの関係性が対等でなかったり、精神的な居場所や安定がない場合に顕著に表れます。親が子どもに意見したり、自分の考えを共有することは教育の一環でもあり、子どもが自立するにしたがって、その感覚を少しずつ手放すことができれば問題ないのですが、成長し、自らが能動的に動くことのできる年齢になってもその意識から抜け出せないことがあります。そして、子ども側からも「お母さんに悲しい思いをさせたくない」といった気遣いから、意に反することであっても、進んでその関係性を強化してしまっている場合があります。
母親のパターン別「対応策」
人間関係は「相互的なもの」です。母親との付き合い方に悩むことがあるなら、そのことに気づき、子どもの側から関係性を変化させていくことができます。
ここで、主な2つのパターンについて、対応策を示します。
「絶対に○○」 「あなたはこうあるべきだ」など断定的な口癖があり、自分の価値観を押し付けがちです。そうすると、子どもは自分の判断に自信が持てなくなったり、相反することに対して後ろめたさを感じるようになります。子どものころ失敗をすると「だから、お母さんの言うことを聞いていればいいの!」という叱り方で、子どもの「自分で考えて動こうとする力」が少しずつ奪われている場合も多くあります。
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