「大きな声で叱る」が子どものしつけに逆効果な背景 言うことを聞かない子を前にどんな反応が適切か

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反応4:攻撃

私たちは、通常モードから攻撃モードになり、子どもたちを厳しく叱ります。その際、「早く泣き止まないと……」「いますぐ謝りなさい、さもないと……」「すぐに立ちあがらないと……」というふうに、できるかぎりのプレッシャーをかけて、私たちが望む行動を強要しようとします。

私たちのストレスシステムは、いまやパワー全開です。攻撃モードに入っていますから、子どもを脅したり、叱ったり、腕をつかんで強く引っ張ったりすることもあるかもしれません。もはやまわりで起きていることなど目に入りません。

疲れた小さな子どもを気づかう心の余裕をなくして、ストレスのトンネルに入りこみ、あとになって後悔するような言動をしてしまうのです。後悔のあまり、そのいらだちをまた子どもにぶつけてしまうこともあります。
「あなたがスーパーであんなふうに泣き叫ばなければ、私だって腕を強く引っ張ることはなかったんだから! 自業自得よ!」と。

子どもにとってベストな反応とは

これらの反応は、どこからやって来て、どこへ向かっているのでしょうか。どの反応が、私たち自身、そして子どもにとってベストでしょうか。

反応1:共感

群を抜いて優れた反応です。とはいえ、最も難しい反応でもあります。なお研究によると、冷静な対応をする親に育てられた子どもは、怒りを爆発させることが少ないそうです。

反応2:逃走

できれば避けたい反応です。それでも、「このままではいけない」と気づき、状況を変えようとするだけでも本当に賢明なことです。

大切なのは、子どもに責任を負わせないこと。先に述べた例であれば、「あなたのせいでリンゴを買えなかったのよ!」などと言わないことです。子どもは何も悪いことをしていないのですから。買い物に行く時間が遅くなったせいで、子どもに負担がかかってしまったのです。その日の計画が悪かったのであって、その責任は私たち親の側にあります。

この反応のデメリットは、その場から逃げることはできても、子どもにとってプラスにならないこと。ストレスの対処法を学ぶ代わりに、子どもたちは逃げることを覚えてしまいます。

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