子どもの成績を下げる親と上げる親「3つの違い」 親子関係、やる気、サポート方法を考えてみよう

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一方、だれかと一緒に勉強したい子もいます。この場合、テレビの音を消して、リビングで一緒に勉強するといいでしょう。親が隣に座って仕事をしたり、本を読んだり、自分の勉強をしたりするだけでやる気が出ます。困っていたら「お母さんも一緒に問題解こうか?」と声をかけるのもおすすめです。

森川幸子さん(仮名)のお子さんは、中学1年生の時に学校に行けなくなりました。いわゆる、不登校です。そこで、まずは良好な親子関係を作ることを意識されました。学校を休んだときは、子どもの好きなアイドルのDVDを借りに行って、一緒に見たのです。すると親子関係がさらに良くなって、学校に行けない理由を話してくれました。問題が解決できるように先生と連携した結果、保健室登校できるようになったのです。

子どもが求めるタイミングが大事

しかしここで、新たな問題が発生しました。しばらく学校を休んでいたため、勉強についていけなくなったのです。そこでお母さんは、子どもの勉強に付き合いました。隣の席に座り、わからない英単語の意味を教えたり、一緒に教科書の音読をしたりしたのです。すると、少しずつわかるようになり、自信が出てきました。その結果、教室に戻ることができました。

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そこから成績はグングン上昇し、志望校にも、推薦で合格することができたのです。

子どもが求めるタイミングで子どもが求めるサポートをするのが大事です。森川さんのように、お子さんがまだ学校に行く気持ちがない段階では、勉強の話をするのは禁物。良好な親子関係を作ったり、学校のトラブルを解決したりするのが先です。その後、勉強に困ったタイミングが来てからサポートするのです。サポート方法も子どもに合わせることが大切です。

もちろん森川さんのように、仕事を休んでお子さんに向き合うのが難しい方もいるでしょう。その場合、「しなさい言葉をやめる」など、時間がかからずにできることから始めてみるといいでしょう。

まとめると、

ステップ①良好な親子関係を作る
ステップ②上手にやる気を引き出す
ステップ③子どもが求めるサポートをする

の3つです。その中でも、特に大事なのがステップ①です。まずは良好な親子関係作りから始めるといいでしょう。

前回:干渉しすぎる親に絶望した子に起こる3つの悲劇(5月11日配信)
前々回:「親の愛情不足」感じる子に見えがちな3つの特徴(5月4日配信)

道山 ケイ 思春期の子育てアドバイザー

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みちやま けい / Kei Michiyama

「親を変えることで子どもの成績を上げる」プロとして活躍。元中学校教師で、教師時代に学級崩壊の地獄と学年最下位位のクラスを9カ月で学年トップに変えた天国を経験。この体験から『なかよし貯金を貯めるだけで子どもが伸びる思春期の子育て法』を確立。これまでに1万組以上の親子をサポートし、約7割の親子関係が良好に変化。著書に「ウチの子、最近、思春期みたいなんですが親子でイライラせずに乗り切る方法、教えてください!(すばる舎)」「親子で一緒にやるからできる 中学生の勉強大全(主婦の友社)」「高校受験 志望校に97%合格する親の習慣(青春出版社)」がある。

公式サイト:https://tyugaku.net/

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