日本人がよく知らないロシア人の意外な「食生活」 前回のウクライナ危機で食品の質が劇的に向上

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ちょっとしたスパイスの味さえ耐えられない人がいるかと思えば、こういう激辛カップ麺が普通に食べられているというのが面白いところです。近頃では、日本でもおなじみの「辛ラーメン」もロシア進出を果たしたようです。

巨大国家は料理のレパートリーも豊富

ロシアで出るのはロシア料理だけではありません。ソ連はシベリア、中央アジア、カフカスといった広大な地域にまたがる巨大国家でしたから、料理のレパートリーも豊富です。

例えばロシアにはペリメニというシベリア料理がありますが、これは小麦粉の皮にひき肉などを包んで茹でたもの。要は水餃子です。そのご先祖はおそらく、われわれが食べている餃子と同じところに辿り着くのでしょう。茹でたてのやつが溶かしバターに浸かって出てくるので、アツアツのうちに食べてください。

一方、カフカス料理の代表はなんといってもジョージアです。スパイスの効いたはっきりした味の料理が多く、そろそろロシアの薄味に飽きてきた日本人の出張者を3日目くらいにジョージア料理屋に連れていくと大変に喜ばれます。

特にニンニクの効いた濃厚クリームスープ「シュクメルリ」は日本人の口に合うようで、最近ではコンビニで販売されたり、冷凍食品のラインナップにまで加わるようになりました。私のお気に入りは米の入った辛いスープ「ハルチョー」で、薄味のロシア料理に飽きてきたらこれに限ります。

日本でも近年人気が高いジョージア料理の「シュクメルリ」(写真:PIXTA)

そして何より、ジョージアはワインがうまい。ジョージアでは実に紀元前6000年ごろからワインが作られていたと言われ、ソ連でも有数のワイン産地でしたが、最近では国際的にも知名度が高まってきました。

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