「プーチン政権の終い方」戦術核は使われるのか プーチン退場後の「最適シナリオ」を考える

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プーチン大統領
ウクライナとの戦争と、プーチン政権の「終い方」が注目されている(写真:Contributor/Getty Images)
ウクライナ側の領土奪還の報告が増え、ロシアの苦戦が目立ってきている。市民動員の発令で、ロシア国内では抗議デモが広がり、徴兵を逃れるためにロシア人男性の国外脱出も相次いでいる。はたして、プーチン大統領退場の時は近づいているのだろうか。
橋爪大三郎氏、大澤真幸氏、2人の社会学者による『おどろきのウクライナ』では、文明論、宗教学、歴史、社会学と、あらゆる視座から、緻密で白熱した討論が展開される。本稿では、プーチン大統領退場後のロシアについて、世界はどう変わっていくのかを議論する(前回は、プーチン政権の行く末を予測した『「孤独なプーチン」退場後のロシアが及ぼす影響』)。

ロシアはこの戦争をどう締めくくるのか

大澤:プーチン政権をうまく打倒できたとして、その後のロシアをどう考えるか。そこはとても重要だと思うんですが、橋爪さんは、敗戦国の中で、権威主義的な体制から西側の体制に組み替えることができた唯一の成功例が日本だとおっしゃいました。

そのモデルをロシアに転用すればうまくいくんじゃないかというご意見ですね。NATOが軍事占領して、ロシア国民に対して民主的なシステムに移行する改革を行うということ。その案については、確かに一理あると思うし、大きく見れば日本は成功例かもしれません。

ただ、日本にいる者としては、日本における政治的な思想や行動の欠如みたいなものの淵源をたどっていくと、よく言われているように日本の敗戦の仕方に問題があったという見方もできます。それもあって、日本のやり方を真似してくださいという風には宣伝しにくい部分もあります。

もう1つ、日本の移行がうまくいったのは、日本という国の文化的な特質もあったと思うんです。なので、やはりほかの国も日本と同じようにうまくいくとはなかなか言いにくいところがあります。

橋爪:大澤さんの言うことはわかるが、敗戦したロシアが自分で変われるとはとても思えない。日本の敗戦処理のような外的な力が必要だと私は言っているんです。

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