「孤独なプーチン」退場後のロシアが及ぼす影響 終戦後の振る舞い方、お手本となるのは「日本」

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プーチン大統領
孤立を深めているプーチン大統領。ウクライナとの戦争をどのように終わらせるのか(写真:Contributor/Getty Images)
ロシアがウクライナに軍事侵攻を決行して、9カ月(2022年11月30日現在)。ウクライナ側の領土奪還のニュースもたびたび流れ、ロシアの苦戦が目立ってきた。プーチン大統領による戦術核の使用も現実味を帯びてきて、いよいよカオスを呈している。今後世界はどうなっていくのか。
橋爪大三郎氏、大澤真幸氏、2人の社会学者による『おどろきのウクライナ』では、新しいフェーズに入った世界の本質を見抜くには、文明論、宗教学、歴史、社会学と、あらゆる視座が不可欠だと説く。本稿では、プーチン政権の行く末について、そして戦争の結末はどのように訪れるか、両氏が予測する。

「友達がいない」独裁者

大澤:『おどろきのウクライナ』は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、橋爪さんと僕で重ねてきた数度の対談をまとめた本ですが、対談が終わってからだいぶウクライナの反撃が目立つようになりましたね。

同時にロシアの強引さも目立って、ウクライナの東部を不正な住民投票の結果を根拠に併合するとか勝手なことを言っている。しかも、わざとらしく戦略核戦力の使用を想定した演習を実施したと発表するなど、俺は本気だぞという圧力を高めている。これ以上ゼレンスキーの反撃が続くようなら、戦術核の使用は止められないかもしれないですね。

橋爪:核兵器を使っても使わなくても、プーチンは退場しますよ。それは間違いない。ただ、プーチンが退場した後、ロシアがどうなるかということが見えない。今日はその予測を大澤さんと立ててみたい。

大澤:それは興味深いですね。世界はすべてつながっているので、ロシアの未来は確実に僕たちに影響してきますから。まず、橋爪さんとしては、プーチン退場後のロシアのどんな輪郭が見えますか。

橋爪:わかってきたのは、プーチンは国内に誰も友達がいないということです(笑)。

大澤:それは僕も予測がつきます(笑)。近頃側近との対立も多くなってきているようですね。

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