「友達がいない」独裁者
大澤:『おどろきのウクライナ』は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、橋爪さんと僕で重ねてきた数度の対談をまとめた本ですが、対談が終わってからだいぶウクライナの反撃が目立つようになりましたね。
同時にロシアの強引さも目立って、ウクライナの東部を不正な住民投票の結果を根拠に併合するとか勝手なことを言っている。しかも、わざとらしく戦略核戦力の使用を想定した演習を実施したと発表するなど、俺は本気だぞという圧力を高めている。これ以上ゼレンスキーの反撃が続くようなら、戦術核の使用は止められないかもしれないですね。
橋爪:核兵器を使っても使わなくても、プーチンは退場しますよ。それは間違いない。ただ、プーチンが退場した後、ロシアがどうなるかということが見えない。今日はその予測を大澤さんと立ててみたい。
大澤:それは興味深いですね。世界はすべてつながっているので、ロシアの未来は確実に僕たちに影響してきますから。まず、橋爪さんとしては、プーチン退場後のロシアのどんな輪郭が見えますか。
橋爪:わかってきたのは、プーチンは国内に誰も友達がいないということです(笑)。
大澤:それは僕も予測がつきます(笑)。近頃側近との対立も多くなってきているようですね。