ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、2023年はどのような対応をすべきなのか。これについて米欧は2022年11月末以降、一連の国際会議の場で「反プーチン」包囲網での団結維持を確認した。
アメリカとフランス両国も首脳会談で対外的には共同歩調を演出した。しかしマクロン大統領の発言からは、バイデン大統領との微妙なニュアンスの違いも出た。両国は本当にこの団結を継続できるのか、2023年に向け微妙な不透明感も残す結果となった。
ぱっとしなかった米仏首脳会談
2022年12月1日にワシントンで開催された米仏首脳会談は、一連の外交イベントで最も注目されたものだった。2022年2月末の侵攻開始前後から単独でプーチン氏と再三連絡を取り「スタンドプレー」とも批判され、5月以降もプーチン氏に「屈辱を与えてはならない」と融和的発言したマクロン氏は、米欧の対ロ包囲網の中で最も弱い環とされてきたからだ。
会談後の共同記者会見ではこうした経緯を念頭に、両国間に溝がないことを誇示したいという両首脳の思惑が見え見えだった。ウクライナが主権と領土的一体性を守れるようにバイデン氏が「両国は強い支持を続ける」と述べたのも、この表れだ。
フランスをめぐっては、ウクライナに対し領土面でロシアに譲歩して何らかの和平交渉を迫るのではないかとの臆測があった。これについて質問を受けたマクロン氏は、待ってましたとばかり「ウクライナが受け入れられない妥協を迫ることはしない」と述べて、臆測を否定してみせた。
しかし、マクロン氏の会談外での発言が波紋を呼んだ。アメリカABCテレビのインタビューで、ロシアにとっても受け入れ可能な和平が必要との考えを示唆したからだ。曰く「よい平和とは、他国からウクライナが押し付けられる平和ではない」とする一方で「中長期的に両国のいずれかに受け入れられない平和もよい平和ではない」と述べたのだ。
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