「日本車が9割の国」で見たBEV&中国車の躍進 バンコクモーターショーはコロナ禍も熱気十分

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唯一の例外が、現地に工場を持つアメリカンブランドの「フォード」だけで、たとえば韓国の「ヒョンデ」や「キア」もタイ市場で販売を続けているものの、大成功しているとはいいがたい。

しかし、今年のモーターショーでは「上海汽車」傘下の「MG」が1つのブランドとしてはどこよりも大きなブースを出して、存在感を示していた。

イギリスのスポーツカーメーカーとして誕生したMGは、上海汽車がそのブランド名を所有する(筆者撮影)

しかも、それはモーターショー会場で大きなアドバルーンを打ち上げたというだけにとどまらず、実際にバンコクの街を走るMG車が増えている印象なのだ。MGブランド各モデルは、もちろん現地工場で生産を行っている。

また、「GWM」というブランドで展開してる「長城汽車」も、MGに続けとばかりに鼻息が荒い。同社は2020年にタイを撤退したGM(ゼネラルモーターズ)の工場を購入して市場参入し、現地で本格ビジネスを進めているのだ。

もう1つ感じたのは、EVの存在感が増していることだ。

発売前の「bZ4X」を展示したトヨタや「UX」のEVモデルを並べたレクサスをはじめ、「EQS」の右ハンドルモデルを公開したメルセデス・ベンツ、「iX」に続き「i4」をタイへ投入したBMWなど、いくつものブランドがEVを出展。MGやGWMなどの中国系も、先進イメージでリードしようとEVを並べていた。会場に展示されたEVは合計20モデルを数える。

BMWの「i4」は「4シリーズグランクーペ」のBEV版(筆者撮影)

また、今回のモーターショー開催にあわせて、タイ政府はEV補助金の拡大を発表。それを受けて、EVは販売価格が引き下げられた。

もちろん、タイはヨーロッパとは違って街を走るEVが激増している、というわけではない。しかし、コロナ禍に突入してからのわずか数年で、バンコク国際モーターショーにおいてEVが、大きな存在感を感じさせるだけのポジションへと変化したことを実感した。

クルマを買いにモーターショーへ行く文化

バンコクモーターショーで「なるほど」と思わせるのが、世界のモーターショーでもめずらしい、集客のための独自アイデアだ。1つは、会場内で新車を販売すること。

一般的にモーターショーは「クルマを見るだけ」である。しかし、タイのモーターショーでは、購入予約を受け付けるのが恒例となっているのだ。

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