「インド」のモーターショーで見た意外な車事情 スズキがシェア50%維持も韓国・中国勢が猛追
2月初旬、インドの首都デリーの近郊で国際格式のモーターショーが開催された。モーターショーは国内格式のものと国際格式のものがあるが、「東京モーターショー」をはじめとする主要モーターショーのようにOICA(国際自動車工業連合会)の認定を受けると国際格式としての催しとなる。
「デリーオートエクスポ」と呼ばれるそれは、2年に一度開催されるインド最大のモーターショーだ。
「ジュネーブモーターショー」や「北京モーターショー」など世界的なモーターショーが新型コロナウイルスの影響を受けて中止もしくは延期となっているが、デリーオートエクスポは新型コロナが世界的な流行となる前のギリギリのタイミングでの滑り込みで開催された。
インドの自動車事情……といっても、それを想像できる人は多くないかもしれない。そして、街で最も多く見かける乗用車は「スズキ製」といえば、多くの日本人は驚くことだろう。
インドを走る2台に1台がスズキ
実はインドは、世界で4番目に大きな自動車マーケットだ。
中国、アメリカ、日本、そしてインドという順番で、2018年の販売台数は、乗用車のほか商用車やトラック&バスも含めて約440万台。2018年度の統計をみると乗用車(SUVとバンを含む)は337万台ほどだが、スズキ車の販売はそのうち173万台を占める。なんとシェア50%を超えているのだ。
続く2019年度も4月から12月までのカウントでは106.5万台を販売し、乗用車市場におけるシェアは50%を超える。日本人にはほとんど知られていな事実だが、インドを走る乗用車の2台に1台が、スズキ製なのである。
ただし、正確に言うとブランドの名称は「スズキ」ではなく「マルチスズキ」。「マルチスズキ・インディア」と呼ぶ、スズキと元インド国営企業(現在は民営化されている)との合弁事業で、1981年から現地で車両を製造している。
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